国内ドローン企業のテラドローンは、防衛装備庁の「迎撃ドローン早期取得プログラム」に採択されたと発表した。38社の提案から実証試験用の供試器材に選ばれ、海上自衛隊での運用を想定した検証を経て、量産調達を目指す。
38社から実証機に選定、艦上運用を検証
今回のプログラムは、長射程自爆型UAV(※)への対処能力を短期間で整備するため、防衛装備庁が2026年6月5日に公募を始めたものだ。取得まで約3カ月を想定し、7月の実証試験と8月上旬の終了後、部隊運用に適すると判断された機種について量産契約と納入を検討する。
2026年7月15日、テラドローンの迎撃ドローンが、38社による提案の比較検討を経て、実証用の供試器材に選定されたことが発表された。
試験では飛行性能や自律性能、通信・管制能力に加え、艦上での運用、標的の探知・追随、複数機運用、通信途絶時の安全性などを総合的に確認する。整備、補給、教育を含む運用支援体制も検証対象となる。
採択要件には、機体が国産であり、国内生産基盤が整備されていることが明記された。
テラドローンは、ウクライナで迎撃ドローンを開発するAmazing DronesとWinnyLabの連結子会社化を予定しており、両社の機体は2026年春にシャヘド型UAVの迎撃に成功したとしている。実戦環境で得た技術と、日本国内での供給・制度対応力を組み合わせた提案が今回の選定につながった形だ。
テラドローンは、「ウクライナ・ロシア戦争でも証明されていますが、大量に消費される迎撃ドローンの供給を持続する上で、国産化が必須の課題となっています」として、国産のドローン開発の意義を強調した。
※長射程自爆型UAV:爆薬を搭載し、長距離を飛行して目標へ突入する無人航空機。比較的低コストで大量運用されるため、高価な迎撃ミサイルだけでは継続的な対処が難しいとされる。
量産採用なら防衛事業拡大、供給力が焦点
テラドローンにとって今回の採択は、防衛領域への本格参入から約4カ月で、実証から量産調達を見据える案件に進んだことを意味する。
量産機種に選ばれれば、機体販売だけでなく、整備、補給、教育などの運用支援を含む事業へ広がる可能性がある。測量や点検、運航管理で培った技術を防衛用途へ展開する点でも、事業領域の拡張につながる。
一方、実証機への選定は量産契約を保証するものではない。艦艇上では限られた空間や強風、通信環境など陸上とは異なる条件への対応が必要であり、性能だけでなく安全性や整備性、部隊内での扱いやすさも問われる。
また、ウクライナ企業の技術を国内生産へ移管し、部品調達を含めて安定供給できるかも重要な審査材料となる。
迎撃ドローンは、高価なミサイルを補完し、無人機の大量攻撃に対する費用対効果を高める手段として注目される。
ただし、探知システムや指揮統制との連携が不十分であれば、単体性能を生かし切れない。今後は実証結果に加え、国産化率、生産速度、維持費を含む運用全体の完成度が、テラドローンの量産採用と防衛事業の成長を左右すると考えられる。
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