JPYC株式会社、株式会社HashPort、INSPAY株式会社の3社がチェリオコーポレーションと共同で、日本初となる自動販売機での日本円ステーブルコイン「JPYC」決済の商用テストを開始した。IVS2026を起点に、京都市内で実用化に向けた検証を進める。
JPYC対応自販機を京都市内に設置
2026年7月1日に開始した今回の商用テストでは、京都市内に設置されたチェリオの自動販売機3台で、日本円ステーブルコイン「JPYC」を利用した決済を体験できる。
実施期間は2026年7月から9月までを予定しており、利用者はHashPort WalletからJPYCを使って対象商品を購入する仕組みである。
決済方式にはQRコードを利用した店舗提示型のMPM方式を採用しており、ステーブルコイン決済で広く活用される方式となる。
利用者側がQRコードを提示するCPM方式もすでに実装されており、今後の導入が予定されている。
IVS2026会場では、7月1日のDAY1に「みやこめっせ」内のJPYCブースに特設自動販売機を設置し、対象商品を一律半額で提供する企画も実施された。
さらに、JPYCを活用したクレーンゲームによる抽選体験も用意され、来場者が実際にデジタル通貨決済を体験できる機会となった。
各社はそれぞれ役割を分担し、JPYCの発行をJPYC株式会社、ウォレット体験の提供をHashPortが担う。INSPAYは自動販売機向け決済端末や店舗決済システムとの連携を担当し、チェリオコーポレーションは自動販売機と飲料商品を提供するとしている。
日常決済への普及に向けた可能性と課題
ステーブルコインが自動販売機で利用できるようになれば、Web3技術を日常生活で触れる機会が増える可能性がある。特に海外からの利用者が多い京都では、訪日客が普段利用しているウォレットを活用した越境決済への期待も高まりそうだ。
また、自動販売機は全国各地に設置されており、日常的に利用される決済インフラの一つといえる。今回の検証で利用体験や運用面の課題が整理されれば、飲料以外の小売分野へ展開する余地も生まれるかもしれない。
現金や既存のキャッシュレス決済に加え、ステーブルコインが新たな決済手段の選択肢として定着していくことも考えられる。
一方で、普及にはウォレットの操作性や利用開始までの手順を分かりやすくする工夫が欠かせない。既存の決済サービスと比較して利用者が利便性やメリットを実感できる環境づくりが重要になるだろう。
さらに、安全性や規制への対応、加盟店側の導入コストといった課題も残されているはずだ。
今後は、利用者と事業者の双方がメリットを感じられる仕組みを構築できるかが、利用拡大に向けたポイントになるとみられる。
デジタル資産を実際の購買活動へ結び付ける一歩として、日本におけるステーブルコイン活用の方向性を占う取り組みになりそうだ。
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