国内決済サービス企業ネットスターズは、日本円建てステーブルコイン「JPYSC」を開発するシンガポール拠点のStartale GroupとWeb3型決済の普及に向けた基本合意書を締結した。「JPYSC」を含むデジタル通貨の活用可能性を検討する方針だ。
Web3決済にJPYSC活用を検討
2026年6月15日、ネットスターズは、Startale GroupとステーブルコインをはじめとするWeb3型決済の普及に向けた協業について、基本合意書を締結した。
両社はネットスターズが進める「StarPay-X」構想のもと、Startaleが推進する日本円建てステーブルコイン「JPYSC」を含むデジタル通貨の決済活用を共同で検討する。
StarPay-Xは、Web2とWeb3の金融世界をつなぐゲートウェイ構想である。特定の技術やサービスに依存せず、既存のキャッシュレス決済の延長線上で、利用者や加盟店が複数の決済手段を柔軟に選べる環境の実現を目指す。
今回の連携では、決済に利用できるデジタル通貨の選択肢を広げる「マルチコイン化」も視野に入る。
Startaleは、SBIグループとの連携を通じてJPYSCの開発と社会実装を進めている企業だ。ブロックチェーンインフラからアプリケーション層までを手がけており、金融とエンタメ領域のオンチェーン化を推進している。
一方のネットスターズは、マルチキャッシュレス決済ソリューション「StarPay」を軸に、加盟店向けの決済基盤を展開してきた。
普及の鍵は既存決済との接続
今回の合意で注目できるのは、Web3決済を「新しい技術」ではなく、既存のキャッシュレス決済に接続するインフラとして位置づけている点だ。
加盟店にとっては、暗号資産やブロックチェーンを個別に理解しなくても、既存の決済導入と近い感覚でデジタル通貨を扱える可能性が出てくる。
メリットは、決済手段の多様化とユーザー体験の改善だろう。
日本円建てステーブルコインが実用段階に入れば、企業間決済、越境送金、デジタルサービス内決済などで、従来より低コストかつ即時性の高い処理が期待される。
ネットスターズの加盟店ネットワークとStartaleのブロックチェーン技術が接続されれば、Web3決済の利用場面は広がる可能性がある。
一方で、現時点で具体的なサービス提供や導入が決まったわけではない。
ステーブルコインを日常決済に組み込むには、法規制への対応、加盟店側の運用負荷、利用者の理解、ウォレット管理の安全性など、多くの課題が残るだろう。
特に決済領域では、技術的な先進性だけでなく、誰でも迷わず使える設計が普及の条件になると思われる。
今後は、JPYSCを含むデジタル通貨をどのようなスキームでStarPay-Xに接続するかが焦点になりそうだ。今回のMOUは実装を約束するものではないが、Web3決済が実証段階から商用インフラへ移るための重要な布石と言える。
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