国内の暗号資産取引サービス「Coincheck」を運営するコインチェック株式会社は、暗号資産送金時にマイナンバーカードを利用した公的個人認証サービス(JPKI)による追加の本人確認を導入したと発表した。
暗号資産の送金時にJPKIを活用する取り組みは国内初であり、不正送金対策の強化を図る。
送金時にJPKI本人確認を国内初導入
2026年6月25日、コインチェック株式会社は、6月19日から所定の条件に該当する個人利用者を対象に追加本人確認を開始したと発表した。
対象となる送金では、送金手続き前にマイナンバーカードを利用した公的個人認証サービス(JPKI)による本人確認が求められる。
今回の取り組みは、暗号資産送金時にJPKIを利用した追加本人確認として国内初となる。
利用者はスマートフォンでマイナンバーカードのICチップを読み取ることで本人確認を完了でき、確認が終了するまで送金は実行されない仕組みである。
マイナンバーカードを保有していない利用者には、問い合わせを通じて別の本人確認方法が案内される。
導入の背景には、特殊詐欺やフィッシング、マルウェア感染によるアカウント乗っ取りなど、金融犯罪の高度化がある。
暗号資産は一度送金されると取り消しが難しい特性を持つため、送金時点で本人性をより厳格に確認する必要性が高まっていた。
同社はこれまでも二段階認証などのセキュリティ対策を提供してきた。
さらにログイン時や暗号資産送金時、日本円出金時などでパスキー認証の対象範囲を順次拡大しており、今後も認証の高度化を進める方針を示している。
本人確認強化が業界標準となる可能性
今回の取り組みは、不正送金対策を強化するだけでなく、暗号資産取引における本人確認のあり方を見直す契機となるかもしれない。
従来は口座開設時の本人確認が中心だったが、資産が外部へ移転する送金時にも追加認証を求めることで、第三者による不正利用のリスクをさらに低減できると考えられる。
一方で、利用者にとっては送金手続きが増えることになるため、利便性とのバランスは課題となるだろう。
追加確認の対象となった場合は本人確認が完了するまで送金できず、確認状況によっては時間を要するケースも想定されるため、迅速な資産移動を重視する利用者には負担となる可能性がある。
それでも、暗号資産市場ではセキュリティ対策への信頼性がサービス選択の重要な要素となっている。
不正アクセスや乗っ取り被害が継続的に発生するなかでは、送金時の本人確認強化は利用者保護につながる施策として評価される可能性は高そうだ。
今後、今回の取り組みの効果が確認されれば、他の暗号資産交換業者や金融サービスでも同様の認証方式が広がることも考えられる。
利便性と安全性の両立をどこまで実現できるかが、国内の暗号資産サービス全体の競争力を左右する重要な要素となりそうだ。
関連記事:
Coincheckアプリ、7年連続で国内DL首位 2025年も暗号資産取引アプリNo.1に
