Kaiaは円建てステーブルコイン「JPYC」の流通額が同チェーン上で3.3億円を突破し、JPYC発行チェーンとして国内首位になったと発表した。日本での利用拡大に加え、韓国大手金融機関との実証実験を通じてアジア市場への展開も進めている。
Kaia、JPYC流通額で国内首位
KaiaはJPYCの流通額が同ネットワーク上で3.3億円を超え、JPYC発行チェーンとして国内首位になったと2026年6月18日に発表した。
これにより、PolygonやEthereum、Avalancheなど主要ブロックチェーンを上回る残高を記録したことになる。
JPYCは日本の法制度に基づいて発行される円建てステーブルコインであり、Web3サービスだけでなく実社会での決済利用も進んでいる。Kaiaでは高速なトランザクション処理性能やEVM互換性、ガス代委任機能などを背景に利用が拡大してきた。
JPYC全体の累計発行額は33億円を突破しており、約1万9,000のユーザーアカウントと6万超のオンチェーンウォレットアドレスを保有する。
SMBCの決済端末やマイナンバーカードを活用したタッチ決済への対応、銀行預金と連動したリアルタイム購入システムの整備も進行中だ。
また、LINE上で利用できるステーブルコインウォレット「Unifi」との連携も利用拡大を後押ししている。ユーザーはJPYCを直接購入し、シームレスにUnifiウォレットへ移転できるため、日常的な利用が可能になっている。
さらにKaia Foundationは、KB国民銀行、KG Inicis、OpenAssetと共同で韓国ウォン建てステーブルコインに関するPoC(概念実証※)を実施した。
店舗でのQRコード決済や加盟店精算の自動化に加え、韓国からベトナムへのクロスボーダー送金も検証。送金時間は3分以内、コストは従来のSWIFT送金と比較して約87%削減できる可能性が確認されたという。
※PoC(概念実証):新しい技術やサービスが実際の運用環境で有効に機能するかを事前に検証する取り組み。実用化判断の重要なプロセスとなる。
実需拡大の追い風も規制対応が成長の鍵か
本件最大の意義は、ステーブルコインが投機対象ではなく実際の決済・送金インフラとして利用され始めている点にありそうだ。特にJPYCとLINE連携の組み合わせは、一般ユーザーがブロックチェーンを意識せず利用できる環境を整える可能性がある。
企業や金融機関にとってもメリットは大きいだろう。
低コストな送金や即時決済が実現すれば、国際送金や加盟店精算にかかる時間と費用を削減できるはずだ。アジア域内での資金移動が効率化されれば、新たな金融サービス創出につながることも期待される。
一方で、各国の規制環境が統一されていないことは懸念事項だ。
ステーブルコインは金融商品と決済手段の両面を持つため、国ごとのライセンス制度やコンプライアンス要件への対応が不可欠となる。利用拡大に伴い、マネーロンダリング対策やセキュリティ管理への要求も高まるだろう。
今後は、日本での実利用拡大と韓国・東南アジアでの事業展開を両立できるかが焦点となりそうだ。
金融機関との連携を深めながら利用者基盤を拡大できれば、Kaiaは単なるブロックチェーン基盤ではなく、アジア域内でのステーブルコイン活用基盤として存在感を高める可能性がある。
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