米GoogleはGoogle Ad Manager向けのAIエージェント「Ask Ad Manager」を発表した。
Geminiを基盤に、媒体社の広告運用、収益分析、レポート作成を対話形式で支援する機能となる。
広告運用を対話型AIで効率化
2026年6月18日に発表されたAsk Ad Managerは、媒体社が自社データをもとに広告在庫や配信実績を把握し、より早く意思決定するための会話型エージェントである。
複数回のやり取りに対応し、広告配信上の問題分析、パフォーマンス確認、画面遷移の補助などを担う。
リアルタイムでのトラブルシューティングにも対応している。
たとえば、特定のラインアイテム(※1)で異常が起きた場合、従来は担当者がレポートを作成し、数値を確認し、原因を切り分ける必要があった。
Ask Ad Managerではフォローアップの質問も可能であるため、関連する指標や原因候補を提示し、機会損失を防ぐことができるという。
また、複数のレポートを組み合わせなければ見えにくかった広告在庫の状況も、プロンプトから表や比較ベンチマークとして出力できる。
各媒体社のアカウントデータに基づいて回答する設計であり、データ管理への配慮も示されている。
操作性の重視もアピールしており、チャットを通じてパーソナライズされたリンクが提示されるため、見たいデータへアクセスしやすくなるとのことだ。
Googleは、Ad Managerを中心に広告配信業務をよりエージェント化していく構想も示している。
Yahooのような媒体社はすでにAd Managerを独自エージェントへ統合し、予測、ラインアイテム作成、レポート、最適化の効率化を進めているという。
Googleは今後、主要な広告配信業務を支えるREST APIやMCPサーバー(※2)も提供する予定で、外部エージェントとの連携を広げる考えだ。
Googleは同機能を6月中にベータ版として提供し、年内を通じて新しいスキルを追加する予定だ。
※1 ラインアイテム:広告配信システム上で、配信条件、期間、広告枠、単価、目標などを定義する管理単位。媒体社の広告運用では、収益や配信状況を確認する基本項目となる。
※2 MCPサーバー:AIエージェントが外部ツールやデータへ接続するための仕組みを提供するサーバー。広告運用では、AIが配信業務や分析機能と連携する基盤になりうる。
媒体社の収益改善に期待と課題
Ask Ad Managerの導入は、媒体社にとって広告運用の省力化と収益機会の拡大につながる可能性がある。
それまで担当者の経験や手作業に依存していた異常検知、レポート作成、画面操作の一部が会話型AIに移ることで、媒体社の広告運用は「確認作業中心」から「判断・設計中心」へ近づくことが期待できる。
一方で、AIによる広告運用支援にはリスクもある。
媒体社ごとのデータを使う以上、回答の正確性、アクセス権限、ログ管理、推奨内容の妥当性は慎重に検証する必要がある。
AIの提案をそのまま実行する体制では、配信設定の誤りや収益判断の偏りが生じるおそれもある。
広告ビジネスでは、在庫発見、価格交渉、キャンペーン実行までをAIが補助する流れが強まっている。
Ask Ad Managerは、その変化をGoogleの広告基盤内に組み込む一手であり、媒体社の運用現場におけるAIエージェント活用を本格化させる契機になると言える。
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