ナレッジセンスは、法人向け生成AIエージェント「ChatSense」で、資料を見ながらAIに質問できる「Notebook」機能のベータ版を6月中に展開予定だと発表した。
PDFやOfficeファイルをソースとして追加し、要約やブリーフィング、スライド作成などへの活用を支援する。
資料起点でAIに質問可能に
ナレッジセンスが提供するChatSenseは、法人向けにセキュアな生成AI利用環境を提供するサービスである。
2026年6月5日に発表されたNotebook機能は、PDFやOfficeファイルなどをソースとして追加し、選択した資料についてAIに質問できる点を特徴とする。
Notebook機能は、6月中にベータ版を展開予定だ。
一般的なチャット型AIでは、特定の資料を継続的に参照しながら質問する用途では、資料の指定や文脈管理に手間がかかる場合がある。
こうした業務上の資料確認ニーズに対応する機能といえる。
また、同社は類似機能として追加学習AI、いわゆるRAG(※)機能も提供している。
ただし、RAGは組織全体の大規模ナレッジを扱う用途を想定しており、個人が手元の資料を素早く読み込み、質問するには適さない場面もあった。
Notebookでは、資料をNotebook単位で整理し、選択したソースに基づいてAIと対話できる。
さらに、要約、ブリーフィング、スライドといった派生アウトプットの作成にも対応する予定だ。
これにより、資料の読み込みから要点整理、社内共有用の下準備までを一つの流れで進めやすくなる。
※RAG:Retrieval-Augmented Generationの略。外部文書や社内データを検索し、その内容を根拠として生成AIに回答させる仕組み。回答の精度向上や社内情報活用に使われる。
資料活用を広げるNotebookの可能性
Notebook機能のメリットは、社内資料をAI活用の起点にしやすい点にある。
報告書や営業資料、契約関連文書などは情報量が多く、内容把握に時間を要する。
資料を見ながらAIに質問できれば、担当者は必要な論点を素早く確認し、会議準備や提案書作成に移りやすくなるとみられる。
大企業では部署ごとに文書形式や保存場所が異なるため、Notebook単位で整理できることは、個人作業の効率化だけでなく、チーム内で資料の要点を共有する際の下準備にも役立つ可能性がある。
一方で、AIの回答をそのまま業務判断に使うには慎重さも求められる。
資料を参照して回答する仕組みであっても、要約の抜け漏れや文脈の取り違えが起きる可能性は残る。
特に法務、財務、人事などの重要文書では、AIの出力だけに頼らず、原文と照合する運用が欠かせないだろう。
今後は、Notebookが単なる文書要約機能にとどまらず、資料作成や社内調査の入口として定着するかが焦点になる。
ChatSenseがセキュリティや根拠確認の仕組みを強化できれば、法人向け生成AIは「質問に答えるツール」から、資料を読み解き、業務判断を支える基盤へ近づくと考えられる。
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