トヨタ×NVIDIA　自動運転技術で提携　1兆ドル市場になると予想

「NVIDIA」と「トヨタ自動車」は、次世代自動運転技術開発のため、包括的な提携を行うとCES 2025で発表した。トヨタの次世代車両にNVIDIAの「DRIVE AGX Orin」と「DriveOS」を採用することで、自動運転車開発を加速させる予定だ。

NVIDIAのCEOは、「自動運転車市場が1兆ドル規模に成長する」と予測しており、この提携は自動車産業のデジタル変革を促進させる可能性がある。

NVIDIAとトヨタ、自動運転技術で画期的提携

2025年1月6日、米国ラスベガスで開催中のCES 2025において、「NVIDIA」と「トヨタ自動車」が次世代自動運転技術における包括的な提携を発表した。この提携により、トヨタの次世代車両にNVIDIAの最新自動運転用チップとソフトウェアが搭載されることとなる。

NVIDIAの共同創業者兼CEOであるJensen Huang氏は、この提携を「AV（自律走行車）革命の到来」と表現し、「自動運転車市場が、最初の1兆ドル規模のロボット市場になる」と予測している。この発言は、自動車産業の未来に対する大きな期待を示すものと言えよう。

また、今回の提携は、NVIDIAとトヨタの長年の協力関係をさらに強化するものである。

トヨタはすでに自動運転車のAIモデルのトレーニングにNVIDIAのDGXコンピューターを使用しているため、今回の発表はこの関係を新たな段階に押し上げるものと考えられる。

技術詳細と市場への影響

提携の核心となるのは、NVIDIAの最新チップ「Thor」と、ソフトウェア「DriveOS」の採用だ。Thorは前モデルの「Orin」と比較して20倍の性能を持つとされ、自動運転技術の飛躍的な進歩を予感させる。

また、「DriveOS」は車載用アクセラレーテッドコンピューティング向けOSとして最高の自動車安全基準である「ASIL-D」に合格しており、安全性の面でも優れた特性を有している。

市場への影響も大きい。

NVIDIAの自動車部門は2026年度までに約50億ドルの事業規模に成長すると予測されているが、この提携により、自動車産業全体のデジタルトランスフォーメーションをさらに加速させると思われる。

さらに、NVIDIAは「Cosmos」と呼ばれるAI技術群も発表した。これには「最先端の生成世界基盤モデル」が含まれており、ロボットや自動車など、物理的な世界で動作するデバイスに適応したAIモデルとなっている。

この技術は、自動運転車の開発にとどまらず、より広範な応用可能性を示唆するものだ。

まとめ

本提携は、自動車産業におけるAIと半導体技術の重要性を改めて浮き彫りにした。

今後、他の自動車メーカーも同様の動きを見せる可能性があり、業界全体の技術革新が加速することが予想される。NVIDIAとトヨタの提携は、自動運転技術の新時代の幕開けを告げるものと言えるだろう。