AIでPDFをクイズ化 learningBOX株式会社が新機能公開

2025年5月16日、兵庫県たつの市に本社を置くlearningBOX株式会社は、同社の提供するクイズ作成ツール「QuizGenerator」において、AIを活用した新機能「AIでかんたんクイズ作成」を公開した。
PDF形式の資料から自動でクイズを生成できるようになり、教育や研修の現場において活用しやすくなった。
PDF資料がクイズに変わる 教育と研修現場における課題をAIが解決
QuizGeneratorは、learningBOX株式会社が開発・提供するオンラインクイズ作成ツールだ。無料かつアカウント不要で利用できる点から、教育現場や企業の研修用途を中心に広く支持を集めてきた。
今回の新機能「AIでかんたんクイズ作成」は、従来のWebページやYouTube動画からのクイズ生成に加え、新たにPDF形式の資料からの自動生成を可能にした点が特徴である。
この機能により、教員が講義資料をもとに理解度確認テストを即座に作成できるだけでなく、人事や教育担当者が社内マニュアルから研修用クイズを簡単に生成できるようになる。
作成手順はシンプルで、ユーザーがテーマや資料をアップロードするだけでAIが自動的にクイズを構築する。問題文や選択肢の設計を一から考える必要がないため、作業時間の短縮と質の均一化が同時に実現できる。
AIはOpenAIの言語モデルであるChatGPTを活用しており、自然言語処理(※)技術を通じて文章内容を理解し、的確な設問を作成する。
生成されたクイズは、そのまま学習支援に利用できる品質を備えているため、教育現場における実務的な活用が期待できる。
企業も、eラーニングやOJT資料をベースにした確認テストを迅速に構築できるため、教育体制の強化に寄与できそうだ。
※自然言語処理:人間の言語をAIが理解・解析・生成するための技術領域で、機械翻訳や対話システム、要約、質問応答などに活用される。
AI活用の展望 業務効率化の一手として期待高まる
今後は、PDF以外のファイル形式への対応や、クイズ形式のバリエーション拡充なども期待できそうだ。現時点でも多肢選択式を中心とした出題が可能だが、記述式や穴埋め式など、実践的な学習形式への拡張が進めば、より幅広いシーンでの活用が可能となるだろう。
QuizGeneratorが登場したことで、教員や企業の教育担当者、特に人的リソースの限られる小規模教育機関やスタートアップ企業にとっては、手間と時間をかけずに高品質な教材を整備できる点で大きな魅力となるはずだ。
AIによる教材作成は、今後さらに加速するデジタル学習の波の中で、中核的な役割を担う存在になると考えられる。今回の機能強化は、まさにその序章であり、教育とテクノロジーの融合が一歩前進したことを示しているのではないだろうか。