大塚商会とNECが生成AI「美琴 powered by cotomi」2025年4月提供開始　セキュリティを重視したシステムに

大塚商会とNECは、2025年4月23日より企業のオンプレミス環境(※)で生成AIを利用可能にする「美琴 powered by cotomi」の提供を開始する。NECの生成AI基盤「cotomi」を活用し、特に日本語処理に優れた性能を持つ。外部ネットワークと接続せずに運用できるため、機密情報の安全性を確保しながらAIの活用が可能になる。

※オンプレミス環境
クラウドを利用せず、自社の設備内にシステムを設置・運用する環境。

企業の安全なAI活用を支援

「美琴 powered by cotomi」は、企業が自社のネットワーク内でAIを活用できるように設計されている。セキュリティを重視したシステムであり、外部ネットワークから隔離された環境で運用されるため、情報漏洩のリスクを大幅に低減できる。NECの「cotomi」を基盤とし、高度な日本語処理能力を持つ点も大きな特徴である。

また、本システムには専用のハードウェアとして「Generative AI Server」がセットで提供される予定だ。タワー型筐体を採用し、設置が容易であることに加え、オンプレミス環境のため物理的なセキュリティ対策も施されている。企業はこれにより、自社のデータを安全に管理しながら、AIの恩恵を受けることが可能になる。

一方で、オンプレミス環境でのAI導入には、初期投資や運用コスト、専門知識の必要性、セキュリティリスク、スケーラビリティの制限、継続的なメンテナンスといった課題が存在する。これらの課題を克服するためには、十分な計画とリソースの確保が不可欠である。

業務効率化と生産性向上を実現

「美琴 powered by cotomi」は、企業の業務プロセスを効率化する多くの機能を備えている。たとえば、オフィス文書の作成や要約を自動化することで、従業員の作業負担を軽減し、より創造的な業務に集中できる環境を整えられる。また、高度な社内情報検索機能を提供し、必要なデータを迅速に取得することが可能となる。

さらに、業界ごとの専門用語やガイドラインに対応したカスタマイズも予定されており、より高度な業務支援が期待される。

導入企業にとっては、コスト削減のメリットも大きい。業務の自動化によって人的リソースを最適化し、運用コストを抑えることができる。販売目標は300社を想定しており、今後も業種特化型サービスの展開を進めていく方針である。