NFT配布ツールを徹底比較、NFT配布によって起こる未来を解説
NFT業界が盛り上がっていくにつれて、その”配布ツール”もまた盛り上がりを見せています。本記事ではその「NFT配布ツール」に焦点を当て、その展望を考察します。
NFT配布ツールについて
まず基本的な言葉の定義からおさらいします。NFT配布とはその言葉の通り「NFT」を「配布」することです。なので、NFTの売買ツール(マーケットプレイスやミントサイト)とは異なります。主にマーケティングや顧客エンゲージメントの増加のためにNFTを無料配布する際に活用されます。
そして、NFT配布ツールは大きく分けると、その種類は2パターンに分けられます。
1、Giveawayツール
新規NFTプロジェクトの立ち上げや、自分自身のフォロワー獲得のために、特定のアクション(例えばフォロー&RT)を実行してくれたユーザーの中から抽選でNFTを配布する「Giveaway」を効率化するツールです。
Giveawayには、応募者のアクション管理、当選者の決定、NFTの配布等、煩雑な作業が存在し、手作業で行うには多大な労力がかかります。
この課題を解決するツールも多数生まれています。
2、記念NFTの配布ツール
イベント参加、特定の場所への来訪、XXフォロワー達成、サービスリニューアルなど、何かのイベントを記念して作られたNFTを一括配布するツールです。
イメージはPOAPのようなNFTを簡単に作成でき、特定の条件を満たした人へ向けて配布できるツールです。こちらも多数のプロダクトが生まれ始めています。
この中間に位置するプロダクトや、独自ミントサイトの機能の1つでNFT配布があったり、CRM系のツールの中にNFT配布機能があったりと、この2つ以外にも領域は存在しますが、ここでは大まかな区分として分けさせていただきました。
では、ここからは特に日本におけるNFT配布ツールを幾つか紹介します。
NFT配布ツールの紹介
ここでの上で区分した2パターンで分類させていただきます。
1、Giveawayツール
○Spread
TwitterのFollow, Retweet, Likeなどの条件を設定し、達成者全員がNFTをFreeMintできるツール。Polygonチェーンで稼働し、NFT獲得者は無料でNFTをミントできる。基本は無料で利用でき、大規模配布や詳細な条件設定をしたい場合はプレミアムプランでの利用となる。(HP / Twitter)
○dango
IT起業家として有名なけんすうさんが代表を務める”株式会社アル”が運営するNFTGiveawayツール。Giveawayにかかる手間を大きく削減し、簡単に行うことができます。現在は無料プランのみで誰でも利用が可能です。(HP / Twitter)
○AILEE
NFTのGiveawayやALの配布を効率化するツール。HP上ではGiveaway企画が一覧できるようになっており、Giveawayを求めるユーザーとのマッチングプラットフォームとしても機能しています。現在は全て無料で利用可能です。(HP / Twitter)
2、記念NFTの配布ツール
○SUSHI TOP MARKETING
クライアントとの企画に合わせて様々な条件でNFTを配布できるツールを開発。音声を認証してNFTを配布したり、カードタッチや特定の場所に来場した方へ対してNFTを配布するツールを提供。多様な機会にNFTを配布することでトークングラフの醸成、そしてそれを活用したトークングラフマーケティングの構築を目標としています。(HP / Twitter)
○NFT配布くん
NFTのマス・アダプションのためのSaaSツール。クレカ決済&MetaMaskが不要でNFTを受け取り、購入ができるサービス。特定の条件でのNFT配布だけでなく、売買にも対応しています。GAS代相当の仮想通貨を自動配布する機能(Faucet機能)も組み込みまれており、NFTに触れたことがないユーザーが違和感なくNFTを体験できる機能を一括で提供しています。現在は有料版のみを提供しており、企画から実行までを一括サポートしています。(HP / Twitter)
○BADGE
POAPの日本版のイメージです。イベント参加証明となるNFTを誰でも簡単に作成、配布ができるツール。Polygonチェーンを使っており、一般ユーザーはMetaMaskなくNFTを受け取ることができる。(HP / Twitter)
この他にも配布ツールはありますが、ここでは一旦これくらいにしておきます。
NFT配布によってネットワーク効果を発揮する
では最後に「NFT配布によって何が起こり得るか?」について解説します。
上記で分類した「1、Giveawayツール」と「2、記念NFTの配布ツール」において、1に関してはその理由はわかりやすいです。自NFTプロジェクト、もしくは自身の影響力を拡大するために行うGiveawayの効率化のために存在します。
では、2の記念NFTを配布する理由はどこにあるのでしょうか。例えば、イベント参加証明や、京都タワーへ訪れたことを記念するNFTは、来場者全員に配布されるものなので発行上限はなく、ユーティリティもありません。これを貰う、そして配布する理由はどこにあるのでしょうか。
もちろん配布事業者が将来的なユーティリティの追加も考えて配布しているパターンもありますが、記念NFTをとにかく配布する理由は「トークングラフマーケティング」という概念が参考になります。
トークングラフマーケティングは上記解説でも登場した「SUSHI TOP MARKETING」が提唱するweb3時代におけるマーケティング方法です。
詳しくはぜひこちらの説明資料をご覧いただきたいのですが、簡単に解説すると「個人情報を収集してそれを企業に販売するWeb2型の広告モデルが終焉を迎え、来るweb3の時代はそれぞれのウォレットの情報をもとに広告やマーケティングをするようになる、それをトークングラフマーケティングと呼ぶ」と言うことです。
上の例である通り、バスケ関連のNFTを多く保有している人はバスケが好きな確率が高いので、自分たちがバスケ関連のNFTやプロダクトを作った時に、そのウォレット情報をもとにアプローチができます。確かにその人のウォレットを見ればなんとなく嗜好性わかりますよね。ブロックチェーンは全てが公開されているのでそのオンチェーン情報を活用してマーケティングがされるようになっていくと予測しているわけです。
そして、そのトークングラフマーケティングにおいて、必要なのは“その人の趣味嗜好を体現するNFTの多さ”です。3つしかNFTを保有していない人と300個のNFTを保有する人ではその精度が大きく異なります。
だからこそ、その個人の趣味嗜好をできる限り鮮明にするために、とにかく記念NFTを配布しているわけです。
XXXX年のX月に京都タワーを訪れたことがある、エンジニア向けのイベントに参加してる、Jリーグの開幕戦に行ってる、○○のインフルエンサーが100フォロー時代からフォローしてる、等々のその人の活動履歴をとにかくNFTとしてオンチェーン上に残しておくことで、ネットワーク効果が働き、トークングラフマーケティングは真価を発揮します。
たまにTwitter上で「これNFT配布する意味あるの?」と言う意見を見かけますが、記念NFTの配布はそれ単体の企画においてと言うよりも、今後の新しい産業を作っている過程において必要なステップと言えます。
なので、この先あらゆる行動を記念するNFTの配布が加速することで、自分の個人情報をプラットフォーム側に吸い取られ、販売されることなく、新しいマーケティングや広告のあり方が確立すると予測されています。
非常に楽しみですね!
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参考文献
本記事に使用した文献は以下になります。
- サムネイル画像はUnsplashより
- 各サービスの紹介文や画像に関しては、記事中にHPとTwitterリンクを記載
- 「JBA講演会 WEB3.0時代の広告手法、トークングラフマーケティングについて」はこちら