ゲームの攻略をAIがサポート Microsoftが「Copilot for Gaming」提供開始

米Microsoftは2025年5月28日(米国時間)、AIチャットボット「Copilot for Gaming」の早期プレビュー版を公開した。iOSおよびAndroid向けの「Xbox Beta」アプリ内で利用可能であり、ゲームの攻略法や実績情報をリアルタイムで提供する。日本でも18歳以上を対象に利用可能だ。
AIが「攻略法」を提案 スマホで使える新サービス
Microsoftが発表した「Copilot for Gaming」は、Xbox向けゲーム体験を強化するAIチャットボットである。現在は「Xbox Beta」アプリを通じてiOSおよびAndroid端末で早期プレビューとして提供されている。
このAIは、テキストまたは音声でユーザーと対話し、ゲームに関するさまざまな情報を提供する。たとえば、「Minecraftで剣を作るには?」といった具体的なクラフト方法や「ボスを倒すコツ」など、攻略に直結する情報を即座に返すことが可能だ。従来の攻略サイトや動画閲覧に比べ効率的な体験をもたらすだろう。
さらに、ユーザーのXbox実績やGame Passのサブスクリプション状況にもアクセスできる。最後に取得した実績や最もレアな実績の確認、サブスクリプションの更新タイミングなど、プレイ履歴に関連する情報を統合的に把握できる点も特徴だ。
音声操作を含む機能の一部は日本語にも対応しており、日本の18歳以上のユーザーも参加可能である。ただし現時点ではインターフェースは英語版のみに限定されている。
AIがゲームプレイを変革 恩恵と懸念の両面を検証
「Copilot for Gaming」の登場は、ゲームプレイの質を大きく変える可能性がある。攻略情報の検索時間が短縮されることで、ユーザーはよりスムーズにゲームに没入できると考えられる。特に難易度の高いタイトルや複雑なクラフト要素を持つゲームでは、リアルタイムのアドバイスが大きな助けとなるだろう。
また、ユーザーの嗜好に基づくおすすめゲームの提示も可能で、ゲーム選びの効率化にも寄与する。AIが実績データやプレイ傾向を分析することで、単なる広告ベースとは異なる精度の高いレコメンドが期待される。
一方で、プレイヤーの思考力や試行錯誤の楽しみを奪う懸念もある。すぐに正解を提示するAIの存在が、ゲーム本来の探索や達成感を損なう可能性は否定できない。
また、プライバシーの観点からは、実績やプレイ履歴をAIが分析することへの抵抗感を持つユーザーも存在するだろう。
今後の課題は、AIの精度向上と多言語対応の拡充、そしてユーザーの体験を阻害しないバランス設計にあると考えられる。正式版のリリース時には、日本語UIの対応やPC/Xbox本体での展開が行われるかも注目される。