LogStareオンプレミス版にMCPサーバ搭載で運用支援が革新 対話型AIと自然連携

株式会社LogStareは2025年6月2日、自社のマネージド・セキュリティ・プラットフォーム「LogStare」オンプレミス版にMCPサーバを搭載し提供開始したと発表した。AIとの対話によるログ分析が可能になり、運用現場の効率化が期待される。
オンプレミス環境でもAIと対話可能に
LogStareは、セキュリティ運用プラットフォーム「LogStare」オンプレミス版にMCP(Model Context Protocol)サーバを標準搭載したと発表した。
これにより、対話型AIとの連携が可能となり、IT担当者は日常的な業務の中で自然言語による質問を通じて、蓄積されたログデータを即座に活用できるようになる。
「LogStare」は、親会社である株式会社セキュアヴェイルの20年以上にわたるSOC(※)運用ノウハウを活かして開発された純国産のプラットフォームである。ネットワーク監視、ログ統合、AIによる異常予測といった機能を提供し、クラウドからオンプレミスまで幅広いITシステムに対応している。
今回搭載されたMCPサーバは、AIに対する自然な質問を通じて、必要なログの抽出や原因の特定、さらには対処方法の提案までを自動化する。
従来は専門知識を持つアナリストが行っていた業務が、一般の運用担当者でも対応可能になる点が大きな特徴だ。
LogStareは、この新機能を2025年6月11日から13日に幕張メッセで開催される「Interop Tokyo 2025」にてデモ展示する予定で、来場者は実際の操作感を体験できるという。
※SOC:Security Operation Centerの略。企業のネットワークを24時間体制で監視し、サイバー攻撃や異常を検知・対応する専門部署。
専門知識なしでもログ分析可能に 運用現場の負担軽減へ期待と課題
MCPサーバの導入により、「LogStare」のAI連携は大きく進化した。特に、対話型AIによるログ分析の自動化は、IT運用現場における人的リソースの制約や属人化の課題を解消する可能性がある。これまで複雑な手順や知識を要したログ解析が、質問一つで完結するため、教育コストの削減にもつながる。
AIの自然言語処理を活用したこのアプローチは、生成AIを活用した業務効率化の潮流とも合致しており、今後は他のプラットフォームへの展開や連携も期待される。特にセキュリティ分野においては、スピーディかつ正確な対応が求められる場面が多く、AIの判断支援が運用の質を底上げする可能性がある。
一方で、AIの提示する回答の正確性や、その判断に対する責任の所在など、導入にあたっての検証や運用ルールの整備は不可欠である。
また、オンプレミス環境特有のセキュリティ要件との整合性も慎重に見極める必要があるだろう。
LogStareによるMCPサーバの搭載は、AIによるセキュリティ運用の民主化という文脈でも象徴的な動きである。今後、ユーザー企業の評価が高まれば、業界標準としての地位を築く可能性も十分にある。