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関西医科大学と日本IBM、生成AIで看護・退院サマリーを5分化 全国展開視野の「医療AI共通ICTプラットフォーム」始動

PlusWeb3 編集部
PlusWeb3 編集部 Web3・AI専門メディア

2026年7月8日、関西医科大学と日本IBMは、附属3病院で共通利用する「医療AI共通ICTプラットフォーム」を共同開発したと発表した。生成AIを活用した文書作成支援アプリの実運用を開始し、看護サマリー作成時間を従来約30分から5分へ短縮。医療DXと働き方改革を同時に進める次世代基盤として注目される。

生成AIで看護・退院サマリーを効率化

今回開発されたプラットフォームは、関西医科大学附属病院、総合医療センター、香里病院の3病院で共通利用する診療支援AI基盤である。各病院が個別にAIシステムを構築する必要がなくなり、高度なAIアプリケーションを迅速に横展開できる点が特徴だ。

第一弾として実運用を開始したのが、医師・看護師向けの「生成AIサマリー作成支援アプリケーション」である。富士通製電子カルテとクラウド上のプラットフォームを連携させ、電子カルテ情報を安全に取り込んだうえで、「看護サマリー」「退院サマリー」「外来サマリー」の作成を支援する。

特に看護サマリーでは、従来約30分かかっていた作業が約5分で完了するという。AIが自動生成した文章は、そのまま診療記録として使用されるのではなく、医療従事者が最終確認を行うことで正確性を担保する仕組みとなっている。

また、プラットフォームは国際標準規格FHIR(※)に対応しており、将来的には異なる電子カルテシステムとの接続や地域医療連携、臨床研究への活用も視野に入れる。ゼロトラスト型の認証・認可基盤も採用し、機微な医療データを安全に扱える環境を整備した。

※FHIR(Fast Healthcare Interoperability Resources):異なる医療情報システム間で患者データを安全かつ効率的に共有するための国際標準規格。電子カルテ連携や地域医療ネットワーク構築で広く採用が進む。

全国病院への展開が進む可能性

この取り組みの背景には、関西医科大学が推進する「スマート病院構想」がある。すでにAI問診、生成AI患者対応、ICU退院判断支援などを導入しており、今回のプラットフォームを「AI・医療データ中核基盤」と位置付ける。
今後、AIアプリケーションのラインアップを拡充し、蓄積した医療ナレッジを一元管理することで、臨床研究やデータ駆動型病院経営の高度化にも活用する計画だ。日本IBMも生成AI、医療データ連携、セキュリティ技術の継続的な高度化を進めるとしている。

全国の病院に展開されれば、個別開発に比べてICT導入コストを抑えつつ、高度なAI機能を利用できる可能性がある。医療人材不足や業務負荷の増大が続く中、文書作成の自動化は大きなメリットとなり得る。

一方で、生成AIを医療現場で利用する以上、誤生成への対応や責任分界点の明確化は不可欠である。最終判断を医療従事者が行う運用設計はその対策の一つだが、今後はAIの精度検証やガバナンス体制の整備も重要になるだろう。

医療AIの活用は、単なる業務効率化から、病院全体のデータ活用基盤へと進化しつつある。関西医科大学と日本IBMの今回の取り組みは、日本の医療DXが「個別導入」から「共通基盤活用」の段階へ移行する象徴的な事例になる可能性がある。

日本アイ・ビー・エム ニュースリリース

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