2026年6月、Preferred Networks(PFN)は、日本語に特化したAI翻訳サービス「PLaMo翻訳」の新料金プラン「Proプラン」「Proチームプラン」の提供を開始した。あわせてライブ音声翻訳と英文添削機能を全プランへ追加し、大量の翻訳業務からオンライン会議まで幅広いビジネス用途への対応を強化した。
大規模翻訳とリアルタイム翻訳に対応
今回追加されたProプランは、従来のLiteプランより利用上限を大幅に引き上げ、テキスト翻訳は月間500万文字、ファイル翻訳は月80件、ライブ音声翻訳は月間500万文字まで利用できる。5名以上の法人向けにはProチームプランも用意され、ファイル翻訳は月100件、テキスト翻訳は月間1000万文字まで対応するなど、大規模な翻訳業務を想定した仕様となっている。
PLaMo翻訳は、翻訳に特化して最適化された大規模言語モデルを採用している点が特徴である。汎用生成AIより計算資源を効率的に活用できるため、価格を抑えながら高い翻訳性能を提供できるとしている。PDFやWord、Excel、PowerPointといった業務ファイルにも対応し、企業で発生する多様な翻訳作業を一つのサービスで処理できる点も強みと言える。
さらに、全プランでライブ音声翻訳機能と英文添削機能の提供も始まった。ライブ音声翻訳では、オンライン会議や動画の音声をリアルタイムで文字起こしし、翻訳字幕として表示する。英文添削では、文法や語彙、表現を自然な英語へ修正するとともに、その理由を日本語で解説するため、日本語話者が英語表現を学びながら文書品質を高められる。
国産AI翻訳競争は品質と業務特化が焦点に
生成AIの普及によって翻訳そのものは一般的な機能となった一方、企業では処理できるデータ量やコスト、情報管理まで含めた実用性が重視されるようになっている。PFNが翻訳専用モデルを前面に打ち出した背景には、こうした法人需要の拡大があると考えられる。
特に海外企業との商談やウェビナー、国際会議では、リアルタイム翻訳と文書作成支援を一つのサービスで利用できる利便性は大きいと言える。加えて、日本語を起点に最適化されたモデルであることから、日本企業特有の表現や業務文書への適応力にも期待が集まりそうだ。
一方で、翻訳AI市場では海外大手の生成AIも高性能化が進んでおり、機能面だけで差別化することは容易ではない。
今後は翻訳品質のさらなる向上に加え、多言語対応や業務システムとの連携機能が競争力を左右することになるだろう。
PFNは今後、生成AI基盤モデル「PLaMo」の最新バージョンを翻訳向けに追加学習した新モデルを開発し、多言語対応も進める方針を示しており、国産AI翻訳サービスの存在感をさらに高められるかが注目される。