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SMICに海外注文が回帰 AI半導体不足で“中国生産”が再び拡大へ

PlusWeb3 編集部
PlusWeb3 編集部 Web3・AI専門メディア

2026年5月15日、中国最大の半導体受託製造企業であるSMIC(中芯国際集成電路製造)が、海外顧客からの受注が増加しているとロイターが報じた。世界的なAIブームで半導体工場の生産能力が逼迫し、従来は台湾や韓国で製造されていた製品の一部が中国へ回帰し始めている。

AI特需で海外ファウンドリー不足深刻化

SMICの趙海軍共同CEOは決算説明会で、「海外顧客が中国へ注文を戻している」と説明した。背景には、世界的なAI需要の急増によって、主要ファウンドリー(※)各社が高性能AIチップやメモリー向けの製造を優先している現状がある。

現在、半導体業界ではAIサーバー向けGPUや高帯域メモリーへの投資が急拡大している。一方で、自動車や家電、産業機器向けに使われるレガシー半導体の生産枠は相対的に縮小しつつある。趙氏は「以前は海外で製造されていた一部製品が、もはや生産されなくなっている」と述べ、供給構造の変化に言及した。その結果、比較的余力のある中国工場へ受注が流入している形だ。

米国の輸出規制によって最先端の7ナノ製造では制約を受けるSMICだが、成熟プロセス領域では依然として大規模な供給能力を維持している。中国国内では現在も複数の半導体増産プロジェクトが進行しており、“余った生産能力”が逆に強みとなり始めている。

※ファウンドリー:自社ブランド製品を持たず、他社から委託を受けて半導体を製造する企業。TSMCやSMICなどが代表例。

米規制下でも“中国製造”依存拡大の可能性

今回の動きは、AIブームが半導体産業の勢力図そのものを変え始めていることを示している。これまで先端半導体市場では台湾TSMCや韓国サムスン電子への依存が強かったが、AI向け高性能品へ生産が集中した結果、汎用半導体の供給不足が新たな課題として浮上している。

特に自動車やIoT機器、産業機械などでは、必ずしも最先端プロセスを必要としない製品が多い。そのため、成熟プロセスを大量供給できる中国勢への需要は今後さらに高まる可能性がある。価格競争力や納期面でも、中国工場は一定の優位性を持つと考えられる。

一方で、地政学リスクは依然大きい。米国は中国向け半導体製造装置の輸出規制を強化しており、SMICの先端技術開発には制約が残る。加えて、海外企業が中国依存を深めれば、サプライチェーンの政治リスクも再び問題視される可能性がある。

AI特需による“生産能力の偏り”と半導体不足が続く限り、中国が世界半導体供給網の補完役として存在感を強める流れは当面続きそうだ。

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