2026年4月7日、米Intelはイーロン・マスク氏がテキサス州で進めるAIチップ製造計画「TERAFAB」に参画すると発表した。SpaceXやxAI、Teslaと連携し、4兆円規模の工場建設を支援する。米国内での半導体主導権争いが新局面に入った。
Intel参画で加速する巨大AI工場構想
TERAFABは、AIデータセンターや自動運転、人型ロボットに不可欠な先端チップを量産することを目的としたプロジェクトである。Intelは今回、製造装置や工場設計を担う形で参画し、年間1テラワット規模の計算能力を支えるチップ供給を目指すという。
背景には、米国の半導体供給構造への危機感がある。これまで先端チップの多くは台湾のTSMCに依存してきたが、AI需要の急増により、国内生産体制の確立が急務となっている。
期待と不確実性 米半導体覇権はどう動く
TERAFABが実現すれば、米国内でのAI半導体の自給率向上につながり、供給網の安定化という大きなメリットをもたらすだろう。特にAI企業にとっては、計算資源の確保が競争力そのものとなるため、戦略的価値は極めて高いと言える。
一方で、実行リスクも無視できない。半導体工場の建設は巨額投資と長期開発を伴い、Intel自身もオハイオ州の新工場で大幅な遅延に直面している。
計画では2030年代初頭〜2031年まで稼働がずれ込む見通しであり、TERAFABも同様の課題に直面する可能性がある。
さらに、マスク氏の過去の大型構想には実現が遅れた事例も多く、Hyperloopのように期待先行で終わったケースも存在する。今回の計画が実際に稼働し、産業構造を変えるまで到達するかは依然不透明だ。
それでも、AI時代における「計算力覇権」を巡る競争は確実に加速している。
TERAFABはその象徴的プロジェクトとなり、米国の半導体戦略を占う試金石になると考えられる。