2026年4月1日、神奈川県警は窃盗容疑で男2人を逮捕したと発表した。報道によれば、容疑者は盗んだチェーンソーの写真をChatGPTに送り「いくらで売れるか」と質問しており、AIとのやりとりが捜査の手がかりとなった点が注目される。
盗品をAIに査定依頼 捜査で発覚
神奈川県警は、建造物侵入と窃盗の疑いで群馬県在住の21歳の男2人を逮捕した。容疑者は1月、施設に侵入しチェーンソーや草刈り機を盗んだとされ、いずれも容疑を認めている。
押収されたスマートフォンの解析により、盗品とみられるチェーンソーの写真をChatGPTに送信し、「これいくらで売れる?」と尋ねていた履歴が確認され、窃盗への関与が確認された。
このやり取りは、犯罪後の行動を示すデジタル証拠として捜査に活用された。
生成AIは本来、文章作成や情報検索を支援するツールであるが、今回のように不正行為の補助的用途に使われた事例が明るみに出た形だ。
さらに容疑者は同様の空き巣を複数回行ったと供述しており、今後の捜査においてAIとの対話履歴が犯行の広がりを裏付ける可能性もある。
AI利用の痕跡が証拠化 利便性と監視の境界はどこに
今回の事案は、生成AIの利用履歴が新たな「デジタル痕跡」として捜査に組み込まれる可能性を示した。従来は検索エンジンの履歴や位置情報が主な手がかりだったが、対話型AIはより明確かつ具体的な意図や状況を反映するため、証拠能力が高まる可能性がある。
一方で、利便性の裏にあるプライバシーや監視の問題も浮上する。AIサービスはログを一定期間保存するケースが多く、ユーザーの行動や関心が詳細に記録される構造だ。この仕組みは犯罪抑止に寄与する可能性がある反面、過度な監視社会につながる懸念も否定できない。
今後は、AIプラットフォーム側のガバナンス強化やプライバシー保護に関する利用規約の明確化が求められるだろう。同時に、ユーザー側にもデジタルツールの利用責任が問われる時代に入ったと言える。
利便性とリスクのバランスをどう取るかが、AI社会の成熟度を左右する重要な論点になる。