2026年3月30日、米ブルームバーグは中国AI企業DeepSeekのチャットボットに7時間超の大規模障害が発生したと報じた。複数回の修正が適用されたが完全復旧は不透明であり、AIインフラの信頼性に新たな課題が浮上している。
DeepSeekで7時間超の障害発生
障害は3月29日夜から報告が相次ぎ、同社のステータスページでは午後9時35分に問題を初確認した。その後、約2時間後に一度は解消とされたものの、30日には別のパフォーマンス問題が発覚し、午前9時13分ごろに追加修正が適用された経緯がある。
最終的な完全復旧は確認されておらず、一部ユーザーは再接続を報告する一方で、安定性にはばらつきが残る状況とみられる。同社は詳細な原因説明を控えつつ「修正を適用し結果を監視中」としている。
DeepSeekは2025年に公開した大規模言語モデル「R1」で急速に利用者を拡大し、これまで稼働率99%前後を維持してきた。グローバル規模で利用されるAIサービスにおいて、今回のような長時間障害は異例といえる。
AI基盤の信頼性と分散化の必要性
今回の障害は、AIサービスが社会インフラ化する中での単一障害点リスクを改めて示した。業務や意思決定をAIに依存する企業にとっては、たとえ数時間の機能停止でも生産性や顧客対応に影響が及ぶ可能性がある。
一方で、急成長するAIサービスにおいては負荷増大や最適化の遅れが避けられない側面もある。特に生成AIはリアルタイム推論処理を伴うため、従来のWebサービス以上にシステム設計の難易度が高いと考えられる。また、システムに過負荷がかかった場合の対応も、詳細についてユーザーが知りうる情報は限られる。
利用する側も万が一の事態に備え、代替措置を講じておく必要があると言える。
生成AIについては利便性の高さが評価される一方で、信頼性と可用性をどう担保するかが競争軸へと移行する局面に入ったと言える。