2026年3月25日、東京情報大学は学位記授与式において、日本初となる「AI学長式辞」を実施した。ボイスクローンと生成AIを組み合わせた式辞であり、同大学のAI活用教育とDX推進を象徴する取り組みとして注目を集めている。
AI学長式辞、日本の卒業式で初実施
東京情報大学は、学長・吉本博明の音声を再現するボイスクローンと生成AIを用いた「AI学長式辞」を卒業式で実施した。式辞文は学長監修のもと生成AIが作成し、その内容をAI音声が読み上げる構成である。学位記授与式という公式儀式において、AIが主体的に式辞を担うのは日本初の試みとなる。
同大学は創立以来、AIやデータサイエンス、サイバーセキュリティを中核とした教育を推進してきた。今回の取り組みは「AIと人の協働による知の創造」を体現するものと位置づけられており、単なる演出ではなく教育方針の延長線上にある施策だと考えられる。
式辞の実施後には学長本人が登壇し、「AI時代の学びと表現」についてリアルコメントを発表している。
※ボイスクローン:特定人物の音声データを学習し、声質や話し方を再現するAI技術。本人不在でも自然な発話が可能になる点が特徴。
AI式辞が拓く価値とは
東京情報大学のAI学長式辞は、教育現場における教育カリキュラム表現の拡張と主張を同時に実現した。定型的なスピーチやメッセージ生成をAIが担うことで、IT技術の最先端を教育する学校というイメージがより世間に浸透するだろう。日本初試みという点も大きな宣伝材料だ。
今後は、講義や評価、広報活動などへのAI活用が進む中で、AIの活用方と身近な存在であることの表現として今回のような活用シチュエーションが増えることだろう。
今回の事例は、AIを表現主体として扱う転換点と言える。