2026年3月11日、日本の実業家・川上量生氏が新SNS「POPOPO」を発表した。庵野秀明氏や西村博之氏らがティザーに登場し、「AI時代を前に人間が作る最後のSNS」と位置づけられている。詳細は3月18日の発表会で明らかになる見通しだ。
著名人集結の謎SNSが始動
川上量生氏が発表した「POPOPO」は、「カメラのいらないテレビ電話」をコンセプトに掲げる新SNSである。現時点では機能や仕様は公開されていないが、従来のテキスト中心のSNSとは異なる体験設計を志向しているとみられる。
公開されたティザー動画では、映画監督の庵野秀明氏が「未来を感じさせるテレビ電話」と表現し、西村博之氏も「スマホでこういうのあったっけ?」と発言するなど、既存サービスとの差異を示唆するコメントが並んだ。さらにGACKT氏の参加も予定されており、立ち上げ段階から話題性の高さが際立つ。
本プロジェクトは川上氏が100%出資する企業から発表され、西村氏も関与しているとされる。両者のタッグは「ニコニコ動画」以来となり、日本発のコミュニケーションサービスとして再び注目を集める構図だ。
また、CTOには3Dアバター規格「VRM(※)」やVRコミュニケーション開発に関わった岩城進之介氏が名を連ねる。これにより、アバターを活用したメタバース的要素を備える可能性が高い。加えて手塚眞氏や深津貴之氏らクリエイター陣の参加も明らかになっており、思想性を伴ったサービス設計が進んでいると考えられる。
詳細は3月18日正午からのYouTube発表会で公開予定であり、川上氏のほか庵野氏、西村氏、GACKT氏らが登壇する計画だ。
※VRM:3Dアバターを異なるサービス間で利用可能にするためのファイル規格。メタバースにおける個人の分身表現を支える基盤技術。
人間中心SNSの可能性と課題
「POPOPO」が掲げる「人間が作る最後のSNS」という思想は、SNS上でAI生成コンテンツやボットが増加する昨今、人間主体のコミュニケーション価値を再定義する試みとして一定の支持を集める可能性がある。
特に音声やアバターを活用したリアルタイム対話は、テキスト主体の既存SNSとは異なる没入感を提供し、新たなユーザー体験を生み出す余地がある。
一方で、明確な利用シーンが定義されなければ、過去の音声SNSのように一過性のブームで終わるリスクも否定できない。
また、SNSの成長にはネットワーク効果(※)が不可欠であり、初期ユーザーの定着と拡大が最大の課題となる。著名人の参加は初速には寄与するが、一般ユーザーの日常利用にどう落とし込むかが成否を分けるだろう。
さらに、「人間中心」を掲げつつも利便性の観点ではAIの補助的活用が求められる場面も多い。完全な排除ではなく共存設計が必要になる可能性が高いと言える。
「POPOPO」は、AI主導へ傾くSNS進化の流れに一石を投じる存在である。その展開次第では、次世代コミュニケーションの方向性に影響を与える可能性もあるだろう。
※ネットワーク効果:利用者が増えるほどサービスの価値が高まり、さらに新規ユーザーを呼び込む循環が生まれる現象。SNSの成長において重要な要素。