2026年2月27日、ドローン開発企業のACSLはAI企業Preferred Networksと協業し、AI搭載ドローンの開発を進めると発表した。2027年度中にAI技術を完成させ、2028年に新型ドローンとして発売する計画である。自律飛行と安全性を高める次世代機として産業分野での活用拡大が期待されている。
ACSLとPFN、AI搭載ドローンを共同開発
ドローン開発を手がけるACSLは、人工知能企業のPreferred Networksと共同でAI搭載ドローンの開発に取り組む。ACSLが機体を提供し、自社の制御・管制技術と、プリファードネットワークスの生成AI技術を組み合わせることで、新しい自律飛行システムの実現を目指す。
計画では、2027年度中にドローン向けAI技術の開発を完了させる予定だ。完成した技術は、2028年に発売予定の新型ドローンへ搭載される見通しで、産業用途を中心に実用化が進むとみられている。
今回の研究は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が公募した小型無人機の自律制御・分散制御技術の研究開発事業の一環として進められる。
AIを搭載することで、飛行中に天候が急変した場合や、前方に想定外の障害物が出現した場合でも、AIが状況を判断して回避行動を迅速に取ることができるなど、飛行能力の向上が期待されている。
さらに、これまで人が作成していた飛行プランの自動生成も可能になる見込みだ。現場で短時間のうちに飛行計画を作成できれば、災害対応や設備点検など即時性が求められる業務でドローンを迅速に運用できるようになる。
自律ドローン時代へ 効率化と安全課題
AI搭載ドローンの実用化は、産業分野の運用効率を大きく変える可能性がある。
従来は操縦者が状況を判断しながら操作していたが、AIが飛行判断を補助することで、少人数でも広範囲の業務を担えるようになると考えられる。インフラ点検や農業、物流などで活用が広がれば、慢性的な人手不足の解消にもつながる可能性がある。
安全性の面でも一定のメリットが期待されている。ドローンが飛行中に発生する細かな振動や異常をAIが解析し、機体の異常を自動検知する仕組みが実際に実装されれば、墜落リスクの低減につながる。
一方で、自律飛行の普及には課題も残る。AIの誤認識やシステム障害が発生した場合の責任範囲、さらには都市部での飛行ルールなど、制度面の整備が不可欠だ。技術が進むほど、社会側の受け入れ体制が問われる局面も増えるだろう。
AIとドローンの融合は、今後の産業インフラを大きく変える可能性を持つと言える。
人が遠隔操作する機械から、自律的に判断して行動する空のインフラへと進化すれば、ドローンの役割は単なる機材から社会基盤へと拡張していくことになるだろう。