2026年3月3日、財務省が発表した2025年10~12月期の法人企業統計によると、金融業・保険業を除く全産業の経常利益は前年同期比4.7%増の30兆270億円となり、同期間として過去最高を更新した。AIやデータセンター向け需要が業績を押し上げている。
AI特需で売上・利益・投資が最高更新
増益は5四半期連続となり、売上高、経常利益、設備投資はいずれも10~12月期として過去最大を記録した。売上高は0.7%増の400兆6499億円と19四半期連続で増加している。
製造業の経常利益は0.9%増の11兆3165億円だった。米国の高関税政策の影響が和らいだことに加え、人工知能(AI)やデータセンター、工場自動化関連の需要拡大が寄与した。一方、非製造業は7.1%増の18兆7105億円で、飲食業の客単価上昇などが収益を支えた。
設備投資は6.5%増の15兆3865億円と4四半期連続のプラスである。
製造業では半導体材料や医薬品、食料品の生産能力増強が進み、非製造業では都市開発やデータセンター建設が活発化した。AIインフラ整備が企業行動を加速させている構図だ。
成長加速の光と構造転換の壁
AIやデータセンター関連投資の拡大が、生産性向上と付加価値創出を後押しした構図を如実に表した統計結果となった。
今後生成AIの業務実装が進めば、設計、開発、営業支援など幅広い領域で効率化が進展する可能性が高いと考えられる。また、企業収益の底上げが賃上げや研究開発投資に波及すれば、好循環が形成される余地もある。
一方で、投資の集中はリスクも伴う。データセンターは電力消費が大きく、エネルギー価格の変動がコストを押し上げかねない。海外経済の減速や半導体市況の反転が起きれば、設備投資の調整局面に入る可能性も否定できない。
過去最高益は力強いシグナルだが、真価は持続性にある。
AI特需を一時的な追い風で終わらせず、日本経済の構造転換につなげられるかが今後の焦点となる。