2026年2月9日、日本のクラウド型グループウェア拡張ツール企業rakumo株式会社は、Googleの生成AIを活用した「rakumoエージェント」のベータ版提供開始を発表した。自然な会話だけで予定登録や集計を行える新機能で、業務管理の操作体験を大きく変えることが期待される。
rakumoエージェントβ提供開始、会話で予定登録・検索・時間集計
同機能は、同社のグループカレンダーサービス「rakumoカレンダー」と連携し、画面右側のサイドパネルからチャット形式で操作する仕組みである。ユーザーはコマンドや細かな手順を覚える必要がなく、「明日の12時に田中さんとミーティングを入れて」「来週火曜の予定は?」といった自然な日本語で予定の作成や確認が完了する。
加えて、参加者名を指定した空き時間検索や、過去・未来を横断するキーワード検索にも対応した。「前回の定例はいつか」「明日以降で会議できる時間はあるか」といった曖昧な質問にも応答し、日程調整の手間を大幅に削減する設計となっている。生成AIを活用したエージェント型UI(※)として、従来のメニュー操作中心の画面構成を置き換える試みだ。
さらに、「1月の会議時間は合計何時間か」「今月の採用面接に費やした時間は」といった問いに対し、個人や特定ユーザーの活動時間を自動集計し可視化する。業務の実態を数値で把握できるため、働き方改善の判断材料としても活用できる。
会話内容やカレンダーデータはAIモデルの学習に利用しない方針を明示し、企業の機密情報を保護する設計とした点も特徴である。
※エージェント型UI:AIが利用者の自然言語指示を理解し、複数の操作や判断を自律的に実行する対話型インターフェース。従来のボタン操作中心の画面設計とは異なる新しい操作概念。
業務効率化の切り札に、依存と統制の課題も
特別なスキルを必要とせず、対話だけでスケジュール管理が完結する利点は大きいと言える。
ITスキルに左右されず誰でも同じ操作ができ、入力や集計の手間が減ることでバックオフィスにおいて生産性の底上げに寄与するだろう。
特に日程調整や実績報告に時間を取られてきた管理職にとっては、可処分時間の創出につながる可能性が高い。
一方、AIの解釈ミスや誤登録が発生した場合、予定全体に影響が及ぶリスクも無視できない。対話ログの管理や権限設定、最終確認フローなど、ガバナンスの整備は不可欠だ。
今後、同様のエージェントがメールやワークフロー、経費精算へ広がれば、グループウェアは「操作するツール」から「指示するパートナー」へ進化する公算がある。
生成AIが確固たる信頼を得はじめた現代において、生成AIを用いた業務サポートツールは企業ソフトのUIそのものを支えるものに昇華したと言える。
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