トヨクモクラウドコネクト、「申請補助AI」で自治体DX支援 事前審査を自動化

2026年1月6日、トヨクモクラウドコネクト株式会社は、自治体向けに申請審査の前工程を自動化する「申請補助AI」を正式リリースしたと発表した。給付金・補助金業務にAIを組み込み、処理速度と品質の両立を狙う。日本国内の自治体を対象とした新たな行政DXの動きである。
申請補助AIを正式提供、事前審査を自動化
トヨクモクラウドコネクト(TCC)が提供を開始した「申請補助AI」は、給付金や補助金申請における一次審査前の事前審査をAIが担う自治体向けサービスだ。申請書類のチェック、不備の抽出、修正依頼といった前処理を自動化し、職員は最終判断に専念できる設計となっている。
事業ごとに異なる実施要綱に基づき審査ルールを事前設定でき、本人確認書類や口座情報の整合性を自動で確認する。不備があれば申請者へAIが自動通知し、再確認が必要な案件はスコア化されるため、職員の判断を効率的に支援する仕組みだ。
個人情報を学習・蓄積しない点も特徴で、処理は国内データセンターで完結し、完了後は即時メモリ削除されるという。
本サービスは「給付金パック」「補助金パック」のオプションとして提供され、Web画面やAPI連携を通じて既存システムと接続可能だ。価格は初期費用25万円から、月額利用料は10万円からとしている。
夜間対応と効率化の恩恵、運用設計が成否を分ける
須恵町との実証実験では、AIが自動出力した結果の97%以上が人の確認でも問題なしと判断された。夜間や休日の申請にも対応できるため、翌朝には不備修正済みの状態で審査を開始でき、住民利便性と業務効率の双方にメリットがある。人手不足が深刻化する自治体にとって、処理の平準化は大きな効果をもたらすと考えられる。
一方で、AIの判断精度は審査ルール設計に大きく依存する。要綱解釈が曖昧なまま導入すれば、誤検知や見落としが発生する可能性もある。
今後は、AIを「判断主体」ではなく「補助役」と位置付けた運用が鍵となるだろう。申請補助AIは、自治体DXを現実的に前進させる一方で、行政とAIの役割分担を改めて問い直す存在になりそうだ。











