TOPPAN、AIコマース時代の主戦場をリアルへ RX支援で店舗と営業拠点を再構築

2025年12月24日、TOPPAN株式会社は、リアル店舗や営業拠点のデータを統合・活用する「RXデータ基盤」を核に、企業のビジネス変革を支援する「リアル・トランスフォーメーション(RX)」化支援サービスを2025年12月下旬に提供開始すると発表した。AIコマース拡大を見据え、リアル接点の価値を競争優位の中心に据える動きである。
TOPPAN、RXデータ基盤でリアル接点をデータ中枢化
今回発表されたRX化支援サービスは、店舗や営業拠点で発生する顧客・従業員・商品のデータを一元的に統合し、可視化と分析を行う点に特徴がある。接客ログや位置情報、店内回遊、在庫・販売実績、口コミなど多様なデータをRXデータ基盤に集約し、リアル拠点の状態を定量的に把握できるようにする。
TOPPANは、AIによる購買支援が進展することでデジタル体験が均質化する一方、リアル店舗や営業拠点が差別化の要になると位置付ける。そのため、リアルの価値を最大化する概念としてRXを提唱してきた。
基盤にはトレジャーデータの「Treasure Data CDP」を中核に据え、顧客データと商品データ、接客データを横断的に連携させる。これにより「どの顧客が、どの商品を、どの従業員の接客で購入したか」を一貫した指標で捉えることが可能になる。
さらに、行動データの活用は防犯やカスタマーハラスメント対策など、現場の安全性向上にも活用される。
加えて、RXデータ基盤上に統合されたデータを用いて、AIを活用した分析およびナレッジ化を行う。
本サービスは単なるマーケティング基盤ではなく、リアル拠点全体の運営高度化を狙う構成と言える。
リアル再評価は追い風か RXがもたらす可能性と課題
RX化支援の最大のメリットは、AIコマース(※)時代においてリアル体験をLTV向上の源泉にできる点にある。AI分析により、顧客が納得や感動を伴って購入する瞬間を抽出し、商品改良や接客改善へと循環させることで、体験価値の継続的な最適化が期待できるだろう。
一方で、膨大な行動データを扱うことによる運用負荷や、現場への定着には課題も残る。データ活用が目的化すれば、従業員の負担増や反発を招く可能性も否定できない。
それでも、AIエージェントが購買判断を担う将来において、リアル接点の質がブランド評価を左右する可能性は高い。
TOPPANが掲げる2030年度50億円規模の目標は、リアル再評価の流れが一過性ではないことを示す試金石となりそうだ。
※AIコマース:AIエージェントが顧客に代わって商品選定や購買判断を行う次世代の商取引モデル。











