アクセンチュアがアンソロピックと提携拡大 3万人訓練で企業AI活用が転換点に

2025年12月9日、米アクセンチュアと米AI企業アンソロピックは提携拡大を発表した。アクセンチュアは従業員約3万人が対話型AI「Claude」の訓練を受けられる新部門を設置するという。企業内AI運用の規模拡大が一段と進む動きだ。
アクセンチュアが新部門設立、Claude訓練を大規模展開へ
アクセンチュアとアンソロピックは協業を強化し、同社の技術職を中心に約3万人が対話型AI「Claude」の訓練を受ける新ビジネスグループを立ち上げる。社内技能の底上げを狙った取り組みとみられる。
今回の合意に先立ち、アクセンチュアはOpenAIの「ChatGPT Enterprise」を活用した従業員教育にも踏み切っており、先進AIの本格導入を急いでいる。
背景には、顧客企業が基幹業務の全面的な見直しを進め、AI活用が経営課題の中心になりつつある現状がある。コンサル各社はAI能力の強化と体制再編を加速させている。
アンソロピックのダリオ・アモデイCEOは「今回の新たな提携により、アクセンチュアの開発担当者数万人がクロード・コードを使用することになる。これは当社にとって過去最大規模のAI導入事例だ」と述べた。
両社は金融、医療、公共部門など規制の厳しい分野に向けた新ソリューションの共同開発も進める計画だ。
AI人材強化の波紋 競争優位と格差拡大の行方
今回の取り組みは、企業がAI活用を戦略の中心に据える上で大きな追い風になるとみられる。大量の従業員が高度なモデル運用スキルを身につければ、業務自動化や分析精度の向上が進み、顧客向けサービスの品質改善につながるだろう。Claudeは安全性を重視した設計で知られており、金融や公共部門でも導入しやすい点は大きなメリットとなる。
一方で、AIスキルをめぐる企業間格差は広がる可能性がある。アクセンチュアは9月に8億6500万ドル規模のリストラ計画を発表しており、効率化と再配置の圧力が高まっている。今後、AI技能を持つ従業員が価値の中心となり、教育投資の差が競争力の差に直結する構図が鮮明になるだろう。
また、企業が多数のモデルを併用する流れが強まれば、データ取り扱いの透明性や運用ガバナンスへの要求も厳しさを増すと考えられる。
とはいえ、今回のような大規模育成施策が成功すれば、企業内AIの内製化はさらに加速し、競争優位の獲得につながる可能性が高いだろう。











