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アリゾナ州知事、仮想通貨準備基金法案に拒否権 押収資産管理の州主導化に歯止め

PlusWeb3 編集部
PlusWeb3 編集部 Web3・AI専門メディア

2025年7月1日、米アリゾナ州のケイティ・ホブズ知事(民主党)は、犯罪捜査で押収された仮想通貨資産を州の準備基金として活用可能にする法案「HB2324」に対し拒否権を行使した。

州管理の仮想通貨基金案、知事が拒否権を発動

アリゾナ州議会で可決された「HB2324」は、州財務官に対しビットコインをはじめとするデジタル資産による「仮想通貨準備基金」の創設権限を与える内容であった。
押収された仮想通貨を一元的に州が管理し、財政的な安定性や将来的な資産活用を図ることを狙ったものだ。

同法案は、下院において34対22の賛成多数で可決されたが、ホブズ知事はこれに対して拒否権を行使。理由として、「押収資産を地方管轄から移転することで地方法執行機関と州の協力関係を阻害する可能性がある」との懸念を示した。

具体的には、押収仮想通貨を州が取り扱うことで、地方警察などが得ていた資産分配の恩恵が失われる構造となる。これまで地元の法執行機関は、犯罪によって押収した仮想通貨の収益を装備購入や人員補強などに活用できることから、捜査への積極的な関与を維持していた。

ホブズ知事は今年5月にも、仮想通貨関連の3法案のうち2件に拒否権を行使していた。
SB1373法案では、ビットコインの価格変動性を理由に、州の年金基金への組み入れを拒否していた。今回の判断も、その慎重なスタンスの延長線上にあると見られる。

同知事の判断は、地元の実務的なメリットを重視した現実的な対応とも言えるが、同時に、州としての仮想通貨活用の制度化に待ったをかける結果ともなった。

※仮想通貨準備基金:国家や地方自治体が非常時や財政安定化のために保有する資産の一種として、ビットコインなどの暗号資産を組み込む構想。

分権と資産活用のはざまで 仮想通貨政策の舵取りは困難に

今回の拒否権行使による最大のメリットは、州全体での資産一元管理によって透明性が高まり、分散的な管理による非効率や不正リスクの低減が期待できる点にある。
加えて、財政の安定化手段として仮想通貨を戦略的に位置づけることは、インフレ対策や分散投資の観点からも合理性があると評価できる。

一方で、地方の法執行機関にとってインセンティブが失われることは、犯罪捜査への実効性低下を招く懸念がある。州全体で資産を集中管理すれば透明性は高まると思われるが、現場のモチベーションが削がれれば、制度の実効性が問われかねない。

今後、アリゾナ州が仮想通貨を財政手段としてどのように活用するかは、州議会と知事との間で繰り返される政治的な綱引きのなかで模索されることになるだろう。

デジタル資産の制度設計は、単なるテクノロジーの話ではなく、分権、治安、財政のバランスをどう取るかという複雑な政策判断を伴う局面に入っているといえる。

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PlusWeb3 編集部

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