2026年7月7日、株式会社KANA-L HOLDINGSは、傘下のAI映像制作スタジオ「STUDIO MIYAGI」が株式会社TBSテレビのAI動画生成分野における人材育成支援を開始したと発表した。国内放送局の制作体制に最先端AIを取り込む先進的な試みとなる。
TBSテレビ、社内に「AI Creative School」を本格始動
TBSテレビは、映像制作現場における生成AIへの対応を急務と捉え、社内AI人材育成プロジェクト「AI Creative School」を立ち上げた。
このプロジェクトには、AIクリエイティブの最前線で活躍するSTUDIO MIYAGI所属のチーフクリエイティブプロデューサー・宮城明弘氏が講師として全面協力する。
放送局が自社内で本格的なAI映像制作フローを構築していくためのノウハウや考え方を習得することが、本取り組みの最大の狙いと言える。
スクールでは、同スタジオが培ってきた高度なプロンプトエンジニアリングの技術や、最新のAIツールの動向を体系的に学ぶ。
これにより、単なるツールの操作にとどまらず、企画からポストプロダクションに至るまでの新時代の映像制作プロセスを自社内で内製化する基盤が整う。
テクノロジーと人間のクリエイティビティを融合させ、次世代を担う「AIクリエイティブディレクター」を育成していく方針だ。
将来的には、TBSの強みであるドラマコンテンツの制作現場への段階的なAI技術導入を計画している。
これまで表現が難しかった映像世界の創出を可能にするとともに、制作工程の最適化による抜本的な業務効率化への寄与が期待される。
エンタメ業界に革新を起こすAI活用 表現の拡張と権利関係の課題
今回のTBSテレビとSTUDIO MIYAGIによる協業は、日本のテレビ業界におけるAI実装の重要な試金石となる。
生成AIの活用は、従来のロケや美術セットの制限を超えた、変容・時間・重力を超越する革新的なビジュアルコンテンツの制作を可能にするだろう。
これにより、クリエイターの想像力を具現化するスピードは飛躍的に高まり、莫大な制作コストや時間の削減につながるメリットは極めて大きい。
しかし一方で、急速な実用化には慎重な議論やリスクへの目配りも欠かせない。
生成AIが生成した映像に関する著作権の帰属や、学習データに絡む倫理的な問題、さらには既存の制作スタッフの雇用への影響など、クリアすべき課題は山積している。
技術の進化に法整備や業界内のガイドライン策定が追いついていないのが現状であり、運用の透明性が強く求められる。
今後は、KANA-L HOLDINGSが掲げるリーガル・倫理基準策定への業界貢献を含め、いかに健全な制作環境を構築できるかが鍵となる。
この取り組みが成功すれば、他局や映画業界全体へのAI導入の波をさらに加速させる可能性がある。