米Appleは、Apple Watch向け新OS「watchOS 27」を発表した。
今秋提供予定で、Siri AIや専用Siriアプリ、動的アプリグリッド、健康・運動支援機能を強化する。
Siri AIを軸に操作と健康支援を強化
日本時間2026年6月9日、Appleが発表したwatchOS 27では、Apple Intelligence(※)を基盤にした「Siri AI」がApple Watchに搭載される。
Siri AIは今年後半に英語でベータ提供される予定で、自然な会話による質問応答や、ワークアウトの相談、アイデア出しなどに対応する。
新たに専用のSiriアプリも追加される。
これにより、Siriとの会話を一か所で確認でき、iPhoneで始めた会話をApple Watchで引き継ぐことも可能になる。
会話のピン留めや、手首から新しい会話を始める機能も用意される。
操作面では、新しい動的アプリグリッドを導入する。Siriが提案するアプリ、よく使うアプリ、最近使ったアプリを目立たせ、Siriアプリは常に前面に配置される。
さらに、親指と人さし指を一度タップする新ジェスチャーにより、Smart Stackのウィジェットを片手で開けるようになる。
健康・運動機能も拡充される。Workout Buddyは、過去の運動履歴をもとに、ペース、距離、ワークアウト時間の進捗など新たなデータ洞察を示す。
また、iPhoneを近くに置かずに利用できる機能も加わる。
ヘルスケアアプリの周期追跡機能では、更年期前後や月経に関するサポートが追加され、記録された周期パターンに応じた通知や関連症状の記録、教育リソースの提供に対応する。
※Apple Intelligence:AppleがiPhone、iPad、Mac、Apple Watchなどに展開するAI機能群。対応端末や言語などの条件のもと、端末上の情報やアプリの文脈を活用し、検索、文章作成、操作支援などを行う仕組みである。
watchOS 27が広げる腕元AIの可能性と課題
watchOS 27のメリットは、Apple Watchが記録や通知を中心とする端末から、日々の行動をより能動的に支援するAI端末へ近づく点にありそうだ。
Siri AIや専用Siriアプリにより、移動中や運動中でも画面を細かく操作せず、質問やアプリ操作を進めやすくなるだろう。
周期追跡機能が過去の運動履歴をもとにペースや距離、時間の進捗を示せば、利用者は自分の状態に合わせて運動を調整しやすくなるとみられる。
一方で、AIや健康通知への過信は課題になりそうだ。
更年期前後や月経に関するサポートが加わっても、医療上の診断や治療を代替するものではない。健康上の気づきを与える機能が増えるほど、Appleには通知の意味や限界をわかりやすく示す設計が求められるだろう。
また、Siri AIは英語からベータ提供されるため、日本語ユーザーへの浸透には時間がかかる可能性もある。
今後の焦点は、Siri AIがApple Watchの小さな画面と短時間の操作にどこまで適応できるかにありそうだ。
腕時計型デバイスでは、長文入力よりも短い会話や即時の提案が重要になると考えられる。
ユーザーの状況に応じて必要なアプリや情報を自然に提示できれば、Apple WatchはiPhoneの補助端末にとどまらず、日常行動を支えるAIデバイスとして存在感を強めていくのではないだろうか。
Apple 「Explore what’s new for watchOS 27.」
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