スクウェア・エニックスは、動画共有サイト上で同社および『ファイナルファンタジーXIV』関係者の社会的評価を低下させる内容を含む動画を公開した投稿者と和解したと発表した。
発信者情報開示請求を経て特定し、謝罪と解決金支払いなどで解決に至ったという。
誹謗中傷投稿者を特定し和解成立
2026年4月20日、スクウェア・エニックスは、同社および『ファイナルファンタジーXIV』関係者の社会的評価を低下させる内容を含む動画を投稿した人物について、法的手続きを通じて特定し、和解に至ったと明らかにした。
対象となった投稿は動画共有サイト上で公開されていたもので、同社は発信者情報開示請求(※)を実施し、裁判所により申立てが認められたことを受けて交渉を進めた経緯がある。
その結果、投稿者からの謝罪に加え、解決金の支払い、今後同様の行為を行わない旨の合意が成立した。すでに該当動画およびアカウントは公開停止となっている。
今回の対応は、同社が掲げる方針に基づくものであり、顧客からの意見や要望はサービス改善の糧として受け止める一方、人格否定や脅迫、業務妨害といった悪質行為については、従業員の安全を脅かす重大な問題と位置づけている。
こうした方針に基づき、グループ全体で定める「カスタマーハラスメントに対する対応方針」に沿って、今後も厳正な対応を継続する構えだ。
同社は3月にも同様のハラスメント対応を公表しており、継続的な対処姿勢を示している。
※発信者情報開示請求: 権利侵害にあたる投稿について、被害者側が投稿者を特定するため、プロバイダなどに発信者情報の開示を求める手続き。
開示請求の実効性とユーザー心理の変化
発信者の特定と法的解決まで到達した事例は、抑止力の実効性を示す材料となり得る。
匿名性に依存した攻撃が可視化されることで、加害側の行動には一定の自制が働きやすくなるだろう。
結果として、関係者の心理的安全性が高まり、安定した運営環境の確保にもつながる可能性がある。
一方で、対応の強化はユーザーの発言行動に過度な慎重さを生む懸念も残る。
批評と中傷の境界が曖昧な領域では、正当な意見表明まで萎縮するリスクが否定できない。
さらに、企業側の判断基準が不透明であれば、運用への不信感が蓄積し、コミュニティとの距離が広がる可能性も考えられる。
今後は、開示請求を前提とした対策が業界全体に広がり、リスク管理の一環として制度化が進む展開も想定できる。
ただし、摘発型の対応のみでは持続性に欠けるため、ガイドライン整備や啓発活動など予防的な施策との併用が重要になるだろう。
抑止と自由な議論の両立をどう設計するかが、今後の焦点となりそうだ。
スクウェア・エニックス 「動画共有サイトにおける当社役職員等へのハラスメント行為に対する対応について」
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