株式会社マツモトは、100株以上を保有する株主を対象に、暗号資産ソラナ(SOL)を抽選で進呈する株主優待制度を新設したと発表した。
進呈額は最大10万円相当で、付与は2026年10月上旬を予定する。
参加には取引所口座の開設とエントリーが必要となり、Web3体験を伴う優待設計となっている。
抽選でSOL進呈 限定優待を実施
2026年4月6日、マツモトは、4月30日時点の株主名簿に記載された100株以上保有の株主を対象に、暗号資産ソラナ(SOL※)を進呈する株主優待制度を新設したことを公表した。
今回の優待は限定的な施策であり、抽選により当選者に対して付与される形式となる。
同社は印刷事業を中核としつつ、近年はデジタル領域への展開を模索している。
2026年1月28日にはDAT(デジタルアセットトレジャリー)事業構想を掲げ、ブロックチェーン技術を活用したデータ管理基盤の研究を進めていると公表していた。
今回の優待は、その文脈の中でWeb3理解を促進する施策として位置付けられる。
進呈内容は、1名に10万円相当、3名に5万円相当、15名に1万円相当、100名に1,000円相当のSOLで構成される。
付与数量は2026年9月30日時点のSBI VCトレードの販売価格に基づいて決定され、実際の付与は同年10月上旬頃を予定している。
参加には同取引所の口座開設が必要であり、2026年8月31日までに開設およびエントリーを完了することが条件となる。
特設サイトの情報は7月中に郵送される予定だ。
※ソラナ(SOL):高速処理を志向するブロックチェーン「Solana」のネイティブトークン。ネットワーク上の取引手数料の支払いなどに用いられる。
株主還元の進化とWeb3普及の試金石
今回の取り組みは、株主優待の形を従来の物品や割引からデジタル資産へと拡張する点で意義があるだろう。
暗号資産を通じて企業と株主の接点が増えることで、投資家のエンゲージメント向上につながる可能性があると言える。
また、実際にウォレットや取引所を利用する体験が、Web3理解の裾野を広げる契機にもなり得る。
一方で、抽選制であることから多くの株主が恩恵を受けられない点や、暗号資産特有の価格変動リスクが存在することは課題となるだろう。
付与時点の市場価格に依存するため、当選時と受領時で価値が変動する可能性も否定できない。
さらに、取引所口座の開設など一定のハードルが存在し、一般投資家にとっては参加の障壁となる側面もある。
今後は、こうしたWeb3型優待が継続的な制度として定着するかが焦点となりそうだ。
企業側にとっては新たなIR施策としての有効性が問われる一方、規制や税制との整合性も重要な論点となるだろう。
今回の事例は、デジタル資産を活用した株主還元の実証的な取り組みとして、他企業の動向にも影響を与える可能性がある。
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