政府は、国が保有する個人情報を含むデータの民間活用を可能にする法改正案を閣議決定したと共同通信が報じた。
デジタル庁主導の認定制度に基づき、企業や研究機関は審査を経てデータ提供を受けられる。
国データを認定制で民間開放へ
2026年4月7日、政府は国が保有する個人情報を含むデータを民間企業や研究機関が利用しやすくする関連法改正案を閣議決定したと共同通信が報じた。
事業者はデジタル庁が策定する指針に基づき活用計画を提出し、同庁および個人情報保護委員会の審査を経て認定されればデータ提供を受けられる。
国が保有する個人情報を含むデータの活用対象として、民間企業や研究機関による利用が想定されており、AIや自動運転などの先端技術分野での活用促進が見込まれている。
これまでは慎重な取り扱いが求められてきた国保有データについて、個人情報保護に配慮しながら民間利用を進めるため、政府は制度整備を通じて活用しやすい環境を整える考えである。
デジタル庁が策定する指針には、データの管理方法に加え、悪質な利用を防ぐためのルールも盛り込まれる。
あらかじめ改ざんなどへの対策をルールとして定めることで、データの利用促進と個人情報保護の両立を図る枠組みとなる。
政府は、個人情報の保護に配慮しつつ国の保有データを民間が活用しやすくすることで、経済活動や研究の後押しにつなげたい考えだ。
データ活用拡大と信頼確保の両立が鍵
国が保有する一次データの開放は、研究開発の精度とスピードを底上げする方向に作用すると見込まれる。
とりわけAIや自動運転では実データ不足が課題であったため、開発環境の制約が緩和される可能性がある。
さらに、ルール整備が進むことで参入障壁が下がり、スタートアップを含む多様な主体の参画が広がる展開も期待できる。
一方で、個人情報を含むデータ活用には依然として高いリスクが伴うと考えられる。
不正利用や漏えいが発生した場合、制度全体の信頼性が揺らぐ恐れがあるほか、企業側には高度なセキュリティ投資が求められ、負担増につながる可能性が高い。
また、認定制度が形式的に運用されれば、実効性を欠き、結果として規制強化の議論を招く懸念も残る。
今後は、制度設計そのものよりも運用の質が成否を左右する局面に入るとみられる。
継続的な監査やトレーサビリティの確保が機能するかが重要な分岐点となりそうだ。
加えて、データ利用の透明性が担保されれば、国民の理解が進み、データ流通の基盤が拡張していく可能性も考えられる。
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