LINE WORKS株式会社は、AIが電話で高齢者を見守る音声モニタリングサービス「NAVER CareCall」の販売開始を発表した。
専用機器を使わず従来の電話で利用でき、会話を通じた安否確認や健康状態の把握、異常時の通知までを自動化することで、介護現場の負担軽減と見守りの効率化を図る。
AIが電話で見守る新サービス始動
2026年4月2日、日本のLINE WORKS株式会社は、AI音声モニタリング電話サービス「NAVER CareCall」の販売開始を発表した。
「NAVER CareCall」は、NAVER Cloud Japanが提供するAI音声モニタリング電話サービスであり、高齢者に対してAIが自動で電話をかけ、会話を通じて安否確認や健康状態の把握を行う仕組みだ。
専用機器を必要とせず、従来の電話のみで利用できる点が特徴となる。
背景には、日本国内における急速な少子高齢化と、福祉現場の慢性的な人手不足がある。
こうした状況に対し、AIを活用した見守りの自動化は、少数の職員で見守り業務を効率的に行い、多くの高齢者を支える手段として期待される。
同サービスは高精度な音声認識・発話技術を活用し、会話内容をテキスト化して記録するとともに、健康上の異常や兆候が見られた際には担当者へ通知する機能を備える。
さらに、会話の要約機能により報告書作成の負担軽減にも寄与するとされる。
正式提供に先立ち、島根県出雲市では約70名の高齢者を対象に約9カ月間の実証実験が行われた。
出雲市では、65歳以上が人口の30%を占める超高齢化社会の中、増大する介護ニーズに対する人員不足が課題となっていたが、検証では利用者から安心感や会話機会の増加に対する評価が寄せられた。
また、ケアマネージャーからは、利用者の転倒や怪我をすぐに把握し、迅速な対応につなげることができたとの声も寄せられた。
人手不足時代のケアを再設計
本サービスの導入により、介護現場における業務の再配分が進み、人的リソースの最適化が一層加速していくと考えられる。
定期連絡や記録の自動化により、ケアマネージャーは対面ケアなど本質的な業務に集中しやすくなり、少人数でも広範な対応が可能になるだろう。
また、高齢者との継続的な対話が安心感の醸成にも寄与するとみられる。
一方で、音声解析の精度や誤判定リスクは依然として課題として残り続ける可能性がある。
発話の個人差や体調変化の微細な兆候をどこまで正確に捉えられるかは不透明であり、完全自動化には慎重な姿勢が求められるだろう。
加えて、会話データの蓄積に伴うプライバシー管理の重要性も一段と高まると見込まれる。
今後は、こうしたサービスが補助的な位置づけを超え、介護を支える基盤として浸透していく可能性が高い。
実証段階で得られた知見を踏まえ、自治体や事業者への導入は段階的に広がるとみられる。
特に人材確保が難しい地域では、持続可能なケア体制を支える中核として定着していく展開も想定できる。
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