米IT大手のメタが開発を進めている新AIモデル「アボカド」の公開を延期する方針であることが分かった。
米紙ニューヨーク・タイムズなどが関係者の話として報じた。当初は3月公開を予定していたが、競合モデルと比較して性能面で見劣りする可能性があると判断されたという。
公開は5月または6月にずれ込む見通しで、生成AI競争の中で同社の開発力が改めて問われそうだ。
メタ、新AIモデル公開を延期
米IT大手メタは、コードネーム「アボカド」で開発中の新しい人工知能モデルの公開を延期する方針となった。
ニューヨーク・タイムズ(NYT)は3月12日、関係者の話としてこの動きを報じている。
当初は3月中の公開を予定していたが、競合各社の最新AIモデルと比べて、性能面で見劣りするとされたという。
ロイター通信によると、関係者はメタが開発中の同AIモデルの性能について、グーグルのAIモデル「ジェミニ2.5」と「ジェミニ3」の中間程度の水準にあると説明している。
公開は5月または6月に延期される見通しだ。
メタの広報担当者はロイター通信への電子メールで「次のモデルは優れたものになる」と説明し、年内を通じて新モデルの投入を続けながらAIのフロンティアを拡大していく方針を示した。
またNYTの報道によると、メタのAI部門幹部は、自社のAI製品に搭載する目的でグーグルのAIモデル「ジェミニ」のライセンスを一時的に取得する可能性についても検討している。
ただし、この構想はまだ協議段階であり、最終決定には至っていないとみられる。
生成AI競争の中で問われるメタの開発力
本件のメリットとして考えられるのは、メタが性能面に不安を残した状態で新モデルを拙速に公開しなかった点だろう。
生成AI分野では公開直後の評価が導入判断やブランド認知を左右しやすく、完成度の低いモデルは信頼低下につながりかねない。
その意味で、品質を優先した延期判断は長期的には合理的な戦略と受け止められる可能性がある。
一方で、公開延期は競争上の主導権を弱めるリスクも抱える。
生成AI市場ではモデル公開のタイミング自体が開発者の関心やエコシステム形成に影響するため、数カ月の遅れでも存在感の低下につながりうる。
特に競合が高性能モデルを相次ぎ投入する局面では、開発スピードへの懸念を招く恐れもあるだろう。
今後の焦点は、延期期間中にどこまで性能を引き上げられるかにある。
もし公開時点で推論精度やマルチモーダル性能が競合水準に近づけば、今回の判断は立て直しとして評価される可能性がある。
反対に再延期や性能差が残れば、メタのAI競争における立ち位置に対し、より厳しい視線が向けられる展開も想定できる。
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