アライドアーキテクツは、Ethereum Japanが設立した「Digital Assets Working Group」に参画し、事務局を担当すると発表した。
RWAやステーブルコインなどのデジタル資産を対象に、日本企業によるオンチェーン活用の実務的な選択肢やインフラ要件を整理・研究する。
6月には課題整理と実装の方向性をまとめたレポートの公開が予定されている。
デジタル資産活用を研究するWGにアライドアーキテクツが参画
2026年3月10日、アライドアーキテクツは、Ethereum Japanが設立した「Digital Assets Working Group(以下、WG)」にメンバーとして参加し、事務局も担当することを発表した。
WGは、日本企業によるオンチェーン活用の実務的な選択肢と、それを支えるインフラ要件を整理・研究する目的で設立された。
対象となるのは、株式トークン化を含むRWA(※1)やステーブルコインなどのデジタル資産である。
企業がブロックチェーンやDeFi(※2)を活用する際に直面する課題を整理し、公共性のある判断基準や実装フレームワークの提示を目指すとしている。
2026年3月にキックオフを実施し、有識者との議論や国内企業へのヒアリングをオンライン・オフラインで開始する。
6月には国内企業のイーサリアム活用における課題整理とNext Stepsをまとめたレポートを公開予定で、9月のETH Tokyo、11月のDevconでも進捗報告を行う計画だ。
※1 RWA:Real World Assetsの略。株式、債券、不動産などの現実資産をブロックチェーン上でトークンとして扱う概念。
※2 DeFi:銀行などの仲介機関を介さず、ブロックチェーン上で金融取引や資産運用を行う分散型金融のこと。
デジタル資産WGが示す可能性と実装の課題
本件のメリットとして考えられるのは、日本企業がデジタル資産の活用を検討する際の「共通の議論基盤」が整う可能性がある点だろう。
これまでRWAやステーブルコインの検討は企業ごとに進められることが多く、実務知見が分散しやすい状況にあったとみられる。
WGで議論が体系化されれば、導入検討の初期段階における情報整理が進む可能性がある。
一方で、研究段階の議論がそのまま企業の実装につながるとは限らないだろう。
RWAやステーブルコインは金融規制や会計処理、リスク管理など複数の制度領域にまたがるテーマであり、実装には制度面の整理が求められる場面も想定できるためだ。
仮に知見が共有されたとしても、実際の導入判断は各企業のガバナンスや規制対応に左右される可能性がある。
今後の焦点は、2026年6月に予定されているレポートによって、どの程度具体的な実務指針が示されるかに移るだろう。
もし導入プロセスや具体的ユースケースが整理されれば、日本企業によるオンチェーン活用の検討が徐々に広がる可能性もある。とりわけRWAのトークン化や企業向けステーブルコインは、決済や資金管理などの領域で実験的な導入が進む余地もありそうだ。
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2026年3月10日、米チャート分析プラットフォームのTradingViewは、moomoo証券(日本)との連携開始を発表した。これにより日本の投資家は、TradingView上から直接米国株および米国株オプションの注文を出せるようになった。
TradingViewから米国株注文可能に
今回発表された連携により、日本のユーザーはTradingViewのチャート画面からmoomoo証券を通じて米国株の注文を直接出せるようになった。
TradingViewの「スーパーチャート」から[トレード]を選択することで、moomoo証券のブローカー機能を利用できる仕組みである。ユーザーは口座を開設し、そのまま取引機会を探ることが可能になる。
また、米国株だけでなく米国株オプション(※)取引にも対応した。さらに、通常の米国市場の取引時間に加えて、プレマーケットおよびアフターマーケットでの取引にも対応している。米国株の信用取引も可能となった。
取引手数料は0.132%と透明性の高い設定となっており、NISA口座を利用する場合は手数料が無料となる。
moomoo証券は2022年に日本市場へ参入した証券会社で、東京・渋谷を拠点にサービスを展開中の企業である。グループ全体では世界中で2,800万人のユーザーを持つ。
一方、TradingViewは米国企業のTradingView Inc.が運営する分析プラットフォームで、1億人以上が利用する投資コミュニティを持つ。株式・FX・暗号資産・先物など幅広い金融市場を分析できる高機能チャートプラットフォームである。
※米国株オプション:特定の株式を将来の一定価格で売買する権利を取引する金融派生商品。少額資金で大きなポジションを取れる一方、価格変動に伴う損益の振れ幅が大きい特徴を持つ。
分析と取引プラットフォーム統合による影響、今後の展望
今回の連携の最大のメリットは、分析と売買が同一プラットフォーム内で完結できる点だろう。従来はチャート分析ツールと証券会社の取引画面を行き来する必要があったと思われるが、TradingView上で直接注文できれば、投資判断から発注までの時間を大幅に短縮できるはずだ。
特に短期売買やオプション取引では、このスピードが重要な競争力となる可能性もある。
また、米国株市場へのアクセスが一段と身近になる点も大きなメリットだろう。時間外取引やオプション戦略を含めた高度な投資手法が利用可能になることで、個人投資家の運用スタイルはより多様化していくと考えられる。
一方で、利便性の向上はリスクの拡大と表裏一体でもある。オプション取引はレバレッジ効果が高く、短期間で大きな損失が生じる可能性があるため、投資経験の浅いユーザーにとっては管理が難しい金融商品となりそうだ。
とはいえ今後、チャート分析サービスと証券会社の接続は世界的に拡大するかもしれない。分析・コミュニティ・売買を一体化した金融プラットフォームが主流になれば、投資家の行動データや市場分析の活用範囲も広がる可能性がある。
今回の連携は、その流れを日本市場にも本格的に持ち込む動きの一つと言えるだろう。
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