Pacific Metaは、子会社キリフダが保有する金銭債権のトークン化技術を応用し、新たなDeFi基盤の開発を開始したと発表した。
RWA市場の拡大を背景に、スマートコントラクトを活用した自動執行型の金融インフラ構築を目指す。
金銭債権を起点にDeFi基盤開発
2026年2月19日、Pacific Metaは、子会社キリフダの金銭債権トークン化技術を応用し、DeFi(※1)基盤の開発を開始したことを発表した。
今回の取り組みは、キリフダが運営する金銭債権マーケットプレイス「おカネのこづち」で培ったトークン化技術を基盤に、新たなDeFiプロダクトを構築するものだ。
本取り組みは「おカネのこづち」自体をDeFi化するものではなく、新たなプロダクトとして、スマートコントラクト(※2)を用いた自動執行の仕組みを備える基盤を新規に構築する方針だ。
背景には、RWA(※3)のトークン化市場が拡大し、2025年時点で約330億ドル規模に達していることがある。
各国の規制当局や大手金融機関の関心が高まるなか、金融商品や債権をオンチェーンで取り扱うための基盤技術の重要性が増しており、透明性や追跡可能性を担保できる設計が求められている。
本プロジェクトでは、債権の売買や決済を自動化する仕組みに加え、KYC・KYBを前提としたホワイトリスト型設計を検討する。
利便性とコンプライアンスの両立を図る点が特徴である。
Pacific Metaは2026年度中のβ版稼働を予定しており、実証を通じて基盤の有効性を検証するとしている。
※1 DeFi:Decentralized Financeの略。銀行などの仲介者を介さず、ブロックチェーン上のプログラムで金融取引を行う仕組み。
※2 スマートコントラクト:ブロックチェーン上で稼働するプログラム。あらかじめ設定した条件にもとづき、取引の実行や記録の更新を自動化する。
※3 RWA:Real World Assetsの略。債権や不動産など現実資産をブロックチェーン上でトークン化する概念。
RWA拡大局面で試される規制対応型DeFi
本取り組みの強みは、金銭債権というキャッシュフローが比較的明確な資産を起点に、制度を踏まえたDeFi基盤を構築しようとする点にあるとみられる。
実績あるトークン化技術を土台とすることで、概念先行にとどまらない実装段階への移行が期待できる。
スマートコントラクトによる売買・決済の自動化が進めば、事務負担やヒューマンエラーの抑制にもつながる可能性がある。
一方で、ホワイトリスト型設計は参加者を限定する構造であり、流動性やネットワーク効果の創出が想定ほど広がらない懸念も残る。
さらに、既存法制との整合性確保や監督当局との調整が長期化すれば、事業展開のスピードが鈍る局面も想定できる。
競合も増える中、単なるトークン化だけでは優位性を維持しにくい状況も考えられる。
今後は、β版稼働後にどこまで実需に基づく取引を取り込めるかが焦点になるだろう。
法人間取引や資金調達スキームに組み込まれれば、規制対応型DeFiの一つのモデルケースとして評価される可能性がある。
さらに資産領域の拡張や業界横断的連携が進めば、制度と共存するオンチェーン金融の基盤として定着していく展開も見込まれる。
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