株式会社Pacific Metaは、株式会社Wizleapのステーブルコイン活用による資産運用体制の構築支援を開始したと発表した。
国内企業における「オンチェーン・アセットマネジメント」の普及を後押しする動きとなる。
国内企業での導入事例が拡大
2026年2月24日、Pacific Metaは、Wizleapに対し、ステーブルコインを活用した企業資産管理の体制構築および業務プロセス整備を支援すると明らかにした。
対象資産や運用比率などの詳細は非開示だが、検討段階から実行フェーズまでを一貫して伴走する体制を敷く。
背景には、低金利の長期化や円安リスクへの備え、24時間365日リアルタイムで資金移動できる環境への需要がある。
ブロックチェーン上で管理されるオンチェーン取引は、中間コスト削減と即時決済を可能にする新たな選択肢として注目されてきた。
特に法定通貨と価値を連動させたステーブルコイン(※)は、価格変動リスクを抑えながら柔軟な運用を実現できる点が特徴だ。
Pacific Metaは、自社においてもグローバルプロジェクトとの取引で得た売上金をステーブルコインで受領し、継続運用を通じて資金効率の向上やキャッシュフロー改善の検証を進めてきたとしている。
国内でも改正資金決済法の施行や法人税制の整備が進み、暗号資産を財務ポートフォリオに組み込む議論が現実味を帯びている。
Wizleapは金融・保険分野でサービスを展開する企業として、自社財務にも先進的な判断を取り入れた形となる。
※ステーブルコイン:米ドルや円などの法定通貨に価値を連動させる設計を持つ暗号資産。価格変動を抑えつつ、ブロックチェーン上での送金や決済に利用される。
企業財務に広がるステーブルコイン活用の可能性
本件の利点は、資金管理の機動性が再定義される点にあるだろう。
ステーブルコインを活用すれば、時間や国境に縛られない即時決済が可能となり、送金コストや為替リスクの抑制につながる余地がある。
取引履歴がブロックチェーン上に記録されることは、内部統制や監査プロセスの高度化を後押しする展開も想定できる。
もっとも、発行体リスクや規制変更の影響を完全に回避できるわけではない。
秘密鍵管理の不備は重大な損失に直結しかねず、従来の銀行預金とは異なる管理体制が求められるだろう。
加えて、税務・会計実務の標準化は道半ばであり、財務部門の負担増は避けられない可能性が高い。
当面は実証的導入が中心となり、限定的な企業での検証が続くとみられる。
ただし、法制度や税務ガイドラインの整備が進めば、外貨建て取引の多い企業やWeb3関連事業者から段階的に活用が広がる余地はありそうだ。
長期的には銀行口座とウォレットを併用するハイブリッド型財務体制が定着し、オンチェーン資産管理が補完的インフラとして組み込まれていく可能性も否定できない。
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