SBIホールディングスは、シンガポールの暗号資産取引所Coinhakoの過半数株式取得に向け基本合意する意向を発表した。
資本注入と既存株式取得を組み合わせた取引で、完了すれば同社はSBIの連結子会社となる見通しだ。
SBI、Coinhako過半取得へ
2026年2月13日、SBIホールディングスは公式発表を通じ、シンガポールの暗号資産取引所Holdbuild Pte. Ltd.(Coinhako社)の過半数株式取得を前提とした買収に向け、基本合意締結を目指す方針を明らかにした。
取引は、完全子会社であるSBI Ventures Asset Pte. Ltd.を通じ、Coinhako社に対して資本注入と既存株主からの株式取得を組み合わせる形で実施される予定である。
完了すればCoinhakoはSBIの連結子会社となる見通しで、具体的な出資比率や取得条件は協議中、関係当局の承認が前提となる。
Coinhako Groupはシンガポールを拠点に、暗号資産取引所を中核とする事業を展開してきた。
主要子会社のHako Technology Pte. Ltd.はシンガポール金融管理局(MAS)から主要決済機関(※1)のライセンスを取得しているほか、Alpha Hako Ltd.は英領バージン諸島で暗号資産サービスプロバイダーとして登録済みだ。
10年にわたり蓄積した取引所運営ノウハウとインフラは、東南アジア市場で一定の存在感を築いてきた。
※1 主要決済機関(Major Payment Institution):シンガポール金融管理局(MAS)が発行するライセンス区分の一つ。
東南アジア攻略の成否を分ける統合戦略
本件の最大のメリットは、SBIホールディングスが東南アジアの規制認可基盤と運営ノウハウを短期間で獲得できる可能性があることだろう。
Coinhakoの実績を取り込めば、ゼロから拠点を構築するより効率的に市場参入を進められる公算が大きくなりそうだ。
トークン化株式やステーブルコインなど次世代金融領域への展開も加速し、日本発金融グループの存在感が高まる展開も想定できる。
一方で、各国規制の変動や承認プロセスの不透明さは依然として重荷となり得る。
ガバナンスやコンプライアンス体制の統合には時間を要する可能性があり、組織文化の差異が摩擦を生む局面もありそうだ。
加えて、市場ボラティリティが高まれば収益計画が修正を迫られる展開も否定できない。成長余地と制度リスクは常に隣り合わせである。
短期的には当局承認と統合作業の進捗が焦点となるだろう。
順調に進めば、シンガポール拠点を軸に機関投資家向けサービスや越境取引の高度化が視野に入る可能性がある。
中長期的には、伝統金融とデジタルアセットを横断する統合モデルを実装できるかが重要な分かれ目になりそうだ。
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