長崎大学とニーズウェル、医師シフトをAIで自動最適化 医療現場を支援

ニーズウェルは長崎大学との産学共同研究で開発した「AI医師スケジューリング」を提供開始した。
AIが勤務条件や配置を分析し、医師シフト作成を自動化することで、医療現場の業務効率化と働き方改革を支援する。
産学共同で開発、医師シフト作成をAIが自動化
ニーズウェルは2026年1月5日、長崎大学との産学共同研究により開発した医療系AIソリューション「AI医師スケジューリング」を、同年1月1日付で提供開始したと発表した。
本ソリューションは、AIが勤務時間のバランスや適切な医師配置などを分析し、最適なシフトプランを自動で生成する。
2025年9月から長崎大学病院でPoC(実証実験)を実施し、その過程を踏まえて提供開始に至った。
2025年3月のプロジェクトキックオフ以降、PoCを経ておよそ10カ月で正式リリースしたという。
同社はこれにより、従来は煩雑になりがちなシフト作成に要する時間と手間を軽減できるとしている。
加えて、勤務時間のバランス最適化や適正配置を支援し、医療サービスの質向上や労務管理の透明化にもつながると説明する。
診療科ごとに柔軟に導入できる点も、特徴の一つだという。
今後は、PoCで得たフィードバックを踏まえて機能強化と最適化を進め、他の大学病院や医療機関への展開も順次進める方針だ。
医療DXの分岐点、AIスケジューリングの現実解
本件のメリットとして注目できるのは、医師シフト作成という経験依存度の高い業務を、AIによって構造化しようとしている点だろう。
勤務時間や配置条件を定量的に整理し、選択肢として提示する仕組みは、医師の過重労働是正や労務管理の可視化に寄与する可能性がある。
とりわけ産学共同でPoCを重ね、実運用を前提とした設計が行われた点は、医療DXを現場視点から進める試みとして一定の評価に値するとみられる。
一方で、医療現場特有の不確実性は依然として課題になりそうだ。
急患対応や専門領域の偏在など、定量化が難しい判断要素は多く、AIが提示する最適解が必ずしも現実と一致するとは限らないだろう。
完全自動化を前提とするより、人の判断を補助する設計が求められ、現場の納得感をどう確保するかが運用上の焦点になると考えられる。
今後は、AI医師スケジューリングが業務代替ではなく、意思決定支援として定着するかが分岐点となりそうだ。
PoCで得られた知見を基に、診療科ごとの運用差や暗黙知をどこまでモデルに反映できるかが鍵を握るとみられる。
柔軟性と説明性を高められれば、大学病院に限らず他医療機関への横展開も現実味を帯びてくるだろう。
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