トヨタテクニカルディベロップメント、CES®2026で畜産現場向けAIを展示

2025年12月25日、トヨタテクニカルディベロップメントは、2026年1月開催のCES®2026において、畜産現場のデジタル化を支えるAIソリューションを出展すると発表した。BCS自動判定や肥育牛の成長可視化を通じ、現場判断の支援を目指す。
CES®2026で畜産現場を支えるAIを展示
25日、トヨタテクニカルディベロップメント株式会社はCES®2026にて、乳牛のBCS(※)自動判定や肥育牛の成長可視化を行う畜産業向けAIソリューションを紹介すると発表した。
展示は、Aizip、ソフトバンク、ユタ大学と連携して開発したもので、畜産現場における判断業務のデジタル化を支援する取り組みとして位置づけられている。
この畜産インテリジェンス・プラットフォームでは、ユタ大学が2D画像から3D形状を推定する3D再構成技術の研究開発を担い、Aizipが省電力推論を含むAI推進エンジンを最適化する。
ソフトバンクはAIモデルの開発や3D再構成技術の実装、アプリケーション実装を担当し、トヨタテクニカルディベロップメントは、現場のリアルデータ取得と畜産現場の実装構築を担う。
同社は、AIの活用をより広い分野へ展開し、可視性を高めることで、意思決定の高度化や生産効率の向上、家畜福祉の改善につながるとの見解を示している。
※BCS(ボディコンディションスコア):牛の皮下脂肪の蓄積程度を、目視や触診でスコア化した指標。栄養管理や繁殖・健康管理の判断に用いられる。
現場実装を軸に進む畜産AIの次段階
本件のメリットとしてまず挙げられるのは、畜産AIを研究成果の提示にとどめず、現場判断を支える実装技術として位置づけている点だろう。
現場データ取得から3D再構成、省電力推論、AIモデル実装までが連携することで、BCS自動判定や成長可視化が日常業務に組み込まれる可能性が高まりそうだ。
人手不足が深刻化する畜産分野において、定量データに基づく判断支援は、作業の平準化や家畜福祉の向上に寄与する展開も想定できる。
一方で、課題も残る。AIの判定精度が向上しても、現場がその数値をどこまで信頼し、既存の飼養管理プロセスに反映できるかは不透明だ。
BCSは熟練者の経験に依存する側面が強いため、AIが判断の軸となるまでには時間を要する可能性がある。
加えて、導入コストや機器運用の負担が小規模農家の障壁となる懸念も考えられる。
今回のCES出展を契機に、日本発の畜産AIが国際市場での実装可能性を試す段階に入るかもしれない。
今後は実証データを基に、用途別に最適化したモデル設計や段階的な導入プランが求められるだろう。
海外の畜産環境や規制条件への適応が進めば、現場実装を前提としたAI活用の一つの指標となる可能性もありそうだ。
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