パーソルビジネスプロセスデザイン、AIによる採用業務の自動化サービス「採用のゼロ化」を開始

2025年12月9日、パーソルビジネスプロセスデザイン株式会社は、AIエージェントなどのテクノロジーを活用し、求人票作成から面接調整までの採用業務を一括自動化するサービス「採用のゼロ化」を提供開始した。
企業の採用効率向上と担当者の業務負荷軽減を目指す。
AIで採用業務を一括自動化 「採用のゼロ化」を提供開始
9日、パーソルグループのパーソルビジネスプロセスデザインは、AI活用による採用業務の効率化を進める新サービス「採用のゼロ化」をリリースした。
同サービスは、求人票作成、広告出稿、書類選考、面接日程調整、内定後の手続きまで、採用活動の主要プロセスをAIやRPA(※1)で自動化する仕組みだ。
企業の採用担当者が抱える課題として、業務範囲の広さと処理量の多さが挙げられる。
特に求人票の作成やスカウト配信などは工数がかかり、担当者の負荷が大きい業務となっている。
「採用のゼロ化」は、これらのプロセスを統合的に最適化し、処理スピードと品質を同時に高める点が特徴だ。
同社によると、中途採用の求人票作成工程で本サービスを導入した結果、月間40時間かかっていた業務を約5時間に短縮し、88%の工数削減を実現したという。
さらにAIが候補者ごとに最適化した文面を自動生成することで、応募率やマッチング精度の向上にも寄与することが期待されている。
パーソルグループが長年蓄積してきた採用ノウハウと生成AIの技術を融合することで、これまで効率化が難しかった領域も含めて採用業務全体のDX化(※2)を図っている。
同社は今後、パーソルグループ内での共同開発やテクノロジーベンダーとの提携を進め、「セールスのゼロ化」「マーケティングのゼロ化」など、他部門への応用も計画している。
※1 RPA:Robotic Process Automationの略。定型業務を自動化するソフトウェア技術。
※2 DX:デジタルトランスフォーメーションの略。デジタル技術を活用して業務やビジネスモデルを変革する取り組み。
「採用のゼロ化」がもたらす効率化の波 今後は他領域への拡張も
「採用のゼロ化」がもたらす最大のメリットは、AIによる自動化で業務の効率と精度を両立できる点にあるとみられる。
採用担当者は、スクリーニングや日程調整といった定型作業から解放され、より戦略的なタレント発掘や面接評価に注力できるようになるだろう。
結果として、企業は限られた人員でも採用活動全体の質を高められる可能性がある。
一方で、AI活用が進むほど、データの偏りや判断基準の透明性が課題として浮かび上がることも想定できる。
採用候補者の評価プロセスをAIが補助する場合、アルゴリズムの説明責任や倫理的側面をどう確保するかが重要な論点となりそうだ。
また、機密性の高い人材データを扱う以上、情報管理体制の強化も欠かせないだろう。
今後は、AIが業務を代替するというより、人とAIが協働しながら採用の意思決定を高度化していく方向に進むとみられる。
採用のゼロ化は、単なる効率化ではなく、企業文化の変革を促す契機となるだろう。
関連記事:
採用支援スタートアップ「ノックラーン」がAIで人事関連業務を効率化 「AlgorHRm」提供開始

パーソルビジネスプロセスデザイン、ローカル環境でAIを安全運用 機密情報を守る「プライベートAIサービス」開始












