note、全社員にAIコードエディタ「Cursor」を導入 非エンジニアも開発に挑戦できる制度を開始

2025年12月8日、note株式会社は、AIコードエディタ「Cursor」を全職種の社員が利用できる新制度を開始したと発表した。
非エンジニア職も含めた全社員が、AIと協働して業務効率化や新しいアイデア・サービスの創出に挑戦できる環境を構築する。
非エンジニアもAI開発に参加 「Cursor」で創造力を拡張
8日、note株式会社は、AIコードエディタ「Cursor」を全社員が自由に利用できる制度を、12月から導入したと発表した。
今回の制度により、開発職に限らず、マーケティングや人事、カスタマーサクセスなどあらゆる職種の社員が開発に挑戦できる環境の整備を進める。
同社は2022年から「テックチャレンジ補助」を通じて、業務に関係なく年間12万円までの技術学習を支援してきたほか、非エンジニアも参加する社内ハッカソンを継続的に開催してきた。
これまでに、メルマガ作成ツールやデータ分析ツールなど、実際の業務課題の解決を目的としたアプリケーションが短時間で開発されてきた。
今回の制度は、これまでの社内施策を踏まえ、社員がAIを活用しながら業務効率化や新しい価値の創出に取り組める環境整備を進める狙いがある。
CursorはPC上のファイル操作やデータ分析などをAIエージェントが自律的に行う仕組みを備え、プログラミング以外の業務効率化にも応用可能だ。
同社CTOの今雄一氏は「AIエージェントは、効率化のための道具である以上に、私たちの創造性を拡張する相棒です」と語った。
また、「noteでは、AIエージェントの活用方法に関する教育プログラムも提供し、全社員の挑戦を後押ししていきます」とも語っている。
AIが社員の“相棒”に 組織変革を促す次のフェーズへ
全社員がAIコードエディタを活用することで、発想から実装までの距離が縮まり、従来の職能分業を超えた「協働開発文化」が形成される可能性がある。
これにより、非エンジニア職でもアイデアを即座に形にでき、企画・開発・運用の連携がより密になることが期待できる。
結果として、組織全体の開発スピードや業務改善の精度が向上し、社員一人ひとりの“創造性”が可視化されるだろう。
一方で、AIが生成するコードや提案の品質をどう担保するかは課題として残りそうだ。
誤った生成結果が業務システムや意思決定に反映されるリスクを防ぐため、監査プロセスやレビュー体制の整備が不可欠となるだろう。
また、AI利用の度合いによって評価基準が曖昧になり、社員間で不公平感が生じる懸念も拭えない。
今後は、AI活用を「業務効率化ツール」ではなく「共創パートナー」として位置づける文化が求められるだろう。
AIが個々のスキルを補完し、学習を通じて社員の強みを引き出す環境が整えば、組織全体の知的生産性は飛躍的に高まるとみられる。
その際、創造性の成果を正しく評価する新たな人事指標の確立が、次世代の企業競争力を左右する鍵となりそうだ。
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