Character.AI、未成年ユーザーの安全対策を強化 新機能「Stories」で物語型体験を導入

2025年11月25日、10月に18歳未満ユーザーによる自由なAIキャラクターとの会話を禁止すると発表していた米AIチャットサービス Character.AI が、インタラクティブ小説風の新機能 Stories を公開した。
未成年の安全対策としての方針転換である。
未成年の自由チャット禁止方針 Storiesでガイド付き物語体験へ
Character.AIはこれまで、異なる特徴や「性格」を持つ多数のAIキャラクターと自由に会話できるチャットサービスを提供してきた。
しかし同社は2025年10月、18歳未満のユーザーによるAIキャラクターとの自由な会話を禁止すると発表した。
子どもとチャットボットとの有害なやり取りや、自傷行為をめぐる訴訟が相次いだことが、その背景にあるとみられる。
そして11月25日、その代替手段としてStoriesが正式に導入された。
ユーザーはお気に入りのキャラクターを2〜3体選び、ジャンルやストーリーの前提(自作または自動生成)を設定することで、あらかじめ決まった選択肢に沿って物語を進めるインタラクティブ小説を楽しめる。
会話そのものではなく、あくまで「選択」を通じて展開する形式である。
この仕組みは、チャットボットのようにリアルタイムで反応し続けるのではなく、あらかじめ構造化されたストーリーの中でユーザーの意思に応じて進行するものだ。
Storiesが拓く“安全な没入体験”の未来
Storiesの導入は、AIとユーザーの関係性における新たな転換点となっていく可能性がある。
メリットとして、選択式のストーリー形式により、AIとのやり取りを安全かつ健全な形で提供できる点が挙げられるだろう。
未成年でも安心して利用でき、感情的な依存や不適切な発言などのリスクを最小限に抑えながら、キャラクター性や世界観を楽しめるようになるとみられる。
一方で、自由なチャット体験が失われたことへの反発も起こり得る。
AIキャラクターとの“会話のリアルさ”や即興的なやり取りを重視してきた既存ユーザーにとっては、Storiesがやや物足りなく映る場面は増えそうだ。
今後は、ユーザー層に応じた柔軟な体験設計が鍵を握っていくとみられる。
未成年には安全を最優先に、大人向けには表現の幅を持たせる二層構造をどこまで整えられるかが焦点となりそうだ。
もしStoriesが“安全性と没入感”の両立に成功すれば、AIエンタメの新たな標準として浸透していく可能性もある。
その実現には、創造性と倫理性のバランスを見極めながら運用を進化させていくことが求められるだろう。
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