ポリマーケットとヤフーファイナンスが予測市場データ統合を発表

2025年11月13日、米予測市場プラットフォーム「ポリマーケット(Polymarket)」が、ヤフーファイナンスの独占予測市場パートナーに就任したと公式Xで発表した。
予測確率がニュースや相場情報と並んで表示される体制が数カ月以内に導入される見通しだ。
ヤフーファイナンス上に予測市場ハブを新設へ
ポリマーケットは、ブロックチェーンや暗号資産を活用した予測市場サービスを提供するプラットフォームだ。
同社は11月13日、ヤフーファイナンスと独占的に提携し、同サイト上に「予測市場ハブ(Prediction Markets Hub)」を開設すると明かした。導入は今後数カ月以内とされている。
予測市場ハブでは、ポリマーケットが提供する経済・政府・市場に関する主要なアウトカムの確率データが、ヤフーファイナンスおよび提携メディアのニュースや相場情報、分析と並んで表示される。
これにより利用者は、従来の価格やニュースだけでは把握しづらかった市場参加者の見通しを、確率データとしてあわせて確認できるようになる。
また、金融大手による予測市場データの取り込みはヤフーに限らず、業界全体で広がり始めている。
11月6日には米グーグルがグーグルファイナンスに予測確率を取り込み、ポリマーケットおよび米CFTC(商品先物取引委員会)登録のカルシ(Kalshi)のデータを表示すると発表した。
複数の金融大手が同時期に予測市場データを自社サービスに組み込み始めており、情報提供の在り方を巡る動きが加速している。
予測市場活用が広がる可能性とリスク 投資判断の質向上と規制動向が焦点に
予測市場が金融情報サイトへ組み込まれる最大のメリットは、投資家が参照できる材料が増える点にあると考えられる。
確率データは市場参加者の集合知を抽出するため、ニュースやレポートでは補えない“市場の温度感”を示す手がかりとなりうるだろう。
特に政治イベントや政策判断など、価格変動を誘発しやすい領域では、早期の変調をつかむ補助線として機能していく可能性がある。
その一方で、確率情報が単独で解釈され、短期的なムードに投資家が過敏に反応してしまう懸念は残りそうだ。
予測市場はあくまで参加者の賭けの集積であり、実体経済を正確に映すわけではないため、金融サービスに統合されるほどリテラシー向上や注意喚起の仕組みが求められていくとみられる。
今後は、米国で進む予測市場の規制動向も重要な焦点になりそうだ。
CFTCの判断次第では、取り扱えるテーマや市場規模が制限される可能性があるため、市場の成長ペースに影響が出る展開も考えられる。
一方で、ヤフーやグーグルといった大手プラットフォームが予測市場データを情報基盤として取り込み始めたことは、データの信頼性向上や普及を後押しする材料になりそうだ。
こうした金融メディアによる採用が広がれば、予測市場が投資判断を支える標準的なツールとして定着していく可能性もあるだろう。
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