ハイパーミュージアム飯能で開催 たかくらかずき「キャラクターはことば」

2025年10月28日、株式会社メッツァ運営の北欧ライフスタイル施設「メッツァビレッジ」が、現代美術館「HYPER MUSEUM HANNO(ハイパーミュージアム飯能)」の第3弾企画展としてアーティスト・たかくらかずき氏による展覧会「キャラクターはことば」を発表した。
デジタルとリアルが融合する新しいアート体験を提供するとしている。
飯能の森に「ハイパーマン」降臨 たかくらかずきが描くデジタル神話
ハイパーミュージアム飯能が手がける第3弾企画展「キャラクターはことば」は、たかくらかずき氏による作品を展示する。
彼はビデオゲームやピクセルアート、VR、NFT、AIといったデジタル技術を用い、仏教をはじめとする東洋思想の価値観を現代美術に取り入れながら、新しい表現のあり方を探求している。
企画展の開催期間は2025年11月16日から2026年3月1日までで、メッツァビレッジの自然環境を活用した体験も用意される。
展示では、オニ、カッパ、十二支、仏教や神道にまつわるキャラクターたちが会場内外に集結。
会場にはPCが設置され、来場者は実際にゲームをプレイしながら作品世界を体感できる。
中央には高さ約4メートルの巨大守護神「ハイパーマン」が鎮座し、森と湖に囲まれた空間が「ゲームとマツリの聖地」として再構築される。
また、会場併設のミュージアムショップでは、たかくらかずき氏初の絵本『オニカッパと十二支』(税込2,420円)が先行販売される。
オンラインチケットは前日まで販売され、価格は大人1,000円(当日1,200円)、4〜18歳500円(当日700円)となっている。
企画展以降も「キャラクターアート」をテーマに、AIアーティストの草野絵美氏や、グローバルに“KAWAII”カルチャーを発信する増田セバスチャン氏らによる個展を予定している。
体験型アートが切り拓く「デジタル×自然」時代の文化拠点
たかくらかずき展「キャラクターはことば」が示す最大の価値は、アートを「観る」行為から「関わる」体験へと拡張している点にある。
来場者がインタラクティブな仕掛けを通じて作品世界へ没入できる構成は、デジタル文化に親しむ世代の共感を得やすく、美術館の新たな在り方を提示しているといえる。
とりわけ、自然とテクノロジーが共存する飯能という舞台は、都市中心のアートシーンに一石を投じる存在となり得るだろう。
一方で、デジタル展示を維持するにはシステム更新や設備投資など運営負担が避けられず、技術トラブルが表現の自由を制約するリスクもある。
創造性と持続性の両立をどう図るかが今後の課題となりそうだ。
それでも、本展のような試みは地方発の文化イノベーションを後押しし、教育・観光・産業を巻き込む循環型の文化モデルへと発展していく可能性がある。
今後、AIアートやKAWAIIカルチャーとの融合が進めば、ハイパーミュージアム飯能は、世界に向けた新しい日本的アートの発信拠点としての地位を築くことになるかもしれない。
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