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    LINEとYahoo!、AIエージェント化で体験を統合 2026年本格展開へ

    2025年11月4日、LINEヤフー株式会社は「全サービスのAIエージェント化」を2026年以降に本格展開すると発表した。
    1億人のユーザーに向け、検索・メディア・金融・コマースなどあらゆる分野でAIによる体験最適化を進める方針を示した。

    目次

    1億DAUを目指すLINEヤフー、AIエージェント戦略を中核に

    LINEヤフーは、2025年度第2四半期決算説明会において、全社的な重要戦略として掲げる「全サービスのAIエージェント(※)化」の方針を説明した。
    目標は「1億人のユーザーが日常的にAIエージェントと接点を持つ状態=1億DAU(Daily Active Users)」の実現である。

    10月時点でAI関連サービスのDAU(デイリーアクティブユーザー)は860万人に達しており、主な機能はヤフー検索のAI回答機能やLINEの「AIトークサジェスト」である。
    同社は、今後これらの機能を起点に、各サービス間でのAI連携を順次拡大していく方針を示している。

    また、AI導入に伴い経営資源の再配分を進める。
    2028年度までに、現状の人的資源の約50%を成長・新規領域へ再配置する計画を掲げている。同時に2026年度までに固定費150億円の削減を目指す。
    AIを活用した業務効率化やソフトウェアライセンス費の見直しなどにより、固定費削減を進める方針である。

    AI関連費用については、大規模な新設投資は行わず、既存データセンターの更新範囲内で対応する方針を示した。
    他社の大規模言語モデル(LLM)を利用しており、2025年度の利用料は約100億円に達する見込みだが、固定費削減によって増加分を吸収する計画だ。

    ※AIエージェント:ユーザーの意図を自然言語で理解し、検索や購買、コミュニケーションなど複数サービスを横断的に支援する対話型AIの総称。

    LINE×ヤフー連携が加速させるAI競争時代の幕開け

    AIエージェント化の最大のメリットは、膨大なサービス群をユーザー視点で統合できる点にあると考えられる。
    従来、検索や決済、ニュースなどが分断されていたが、AIエージェントを介することで一貫した体験を実現できるとみられる。
    ユーザーは、意識せずにAIが最適な行動を提示する「自然な利便性」を享受できるようになる可能性が高い。

    一方、懸念点としては、LLM利用料を中心とするAI運用コストの増大が考えられる。
    検索やチャットの処理がAI経由に集中すれば、トークン利用量の増加は避けられず、長期的な収益性に影響を及ぼす可能性もある。
    また、ユーザーデータを用いるAI最適化においては、プライバシー保護や透明性の確保が不可欠となるだろう。

    今後は、LINEとヤフーの両ブランドを軸に、国内でのAIプラットフォーム競争が本格化するとみられる。
    同社が掲げる「AIエージェント経済圏」の実現は、日本のデジタル産業全体に波及する変革となる可能性が高い。
    AIがユーザーと企業の接点を再定義する時代の到来を示す動きといえるだろう。

    LINEヤフー株式会社 決算説明会2025年度 第2四半期

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