SharpLink Gaming、Linea上でETH2億ドルを運用 Web3資産運用モデルを構築

2025年10月28日、米ナスダック上場の SharpLink Gamingが、同社が保有する約2億ドル相当のイーサリアム(ETH)を、Linea上で運用する計画を発表した。
米国発の動きであり、運用はConsenSysとの連携の下、機関向けに展開される。
SharpLinkがLinea上で2億ドル相当ETHの運用をスタート
SharpLink Gaming(ティッカー:SBET)は、同社の企業トレジャリーに保管されているETHを用い、LineaというzkEVM(※1)ベースのレイヤー2スケーリングソリューション上での運用を開始する方針を明らかにした。
今回の資金規模は約2億ドルであり、同社が保有するETH総額のうち複数年にわたって段階的に投入するという。
運用にあたっては、適格カストディアンとして Anchorage Digital Bank が関わっており、機関レベルのリスク管理・保管体制を備えている。
また、運用モデルとしては、ETHのネイティブステーキング利回り、EigenCloud の自律検証可能サービス(AVS)を活用したリステーキング報酬、さらに Linea と ether.fi によるパートナー報酬という三本柱を統合する構成となっている。
本件は、Web3関連企業が保有資産の活用を拡大し、オンチェーンでの利回り最適化を図る動きの一環とみられる。
SharpLinkもDeFi(※2)技術を活用し、機関レベルのリスク管理体制のもとでトレジャリー資産の効率的な運用を目指している。
※1 zkEVM:ゼロ知識証明(Zero-Knowledge Proof)技術を活用し、イーサリアム互換のレイヤー2ネットワークを実現するスケーリングソリューション。
※2 DeFi(分散型金融):中央管理者を介さずにブロックチェーン上で金融サービスを提供する概念。
企業トレジャリー運用の新時代、Web3化が加速する可能性
SharpLink GamingのLinea上でのETH運用は、企業の暗号資産を収益源へと転換する象徴的な動きといえるだろう。
メリットとしては、企業トレジャリーの運用効率が飛躍的に高まり、ステーキング報酬やリステーキングによる複合的な利回りが期待できる点が大きいとみられる。
さらに、Anchorage Digital Bankによるカストディ管理を通じて、機関水準のセキュリティと監査性を確保しており、信頼性の高いDeFi運用モデルを提示したものと考えられる。
一方で、Lineaは新興のL2ネットワークであるため、スマートコントラクトの脆弱性やプロトコル不具合といった技術的リスクは依然として残る。
加えて、ETH価格の変動や報酬率の下落が想定利回りを圧迫する可能性もある。
今後、こうした試みが安定した成果を示せば、他の上場企業も追随し、企業トレジャリーにおけるWeb3資産運用の「新たな常識」となるだろう。
制度的枠組みの整備とリスク管理手法の確立が、その普及の鍵を握るとみられる。
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