YouTubeショートにAI編集機能 写真から動画生成も可能に

米国時間2025年7月23日、YouTubeはショート動画機能「YouTube Shorts」に新たな生成AI機能を追加すると発表した。
写真を即座に動画へ変換する「Photo to video」や、スケッチやセルフィーに動きを加える新エフェクト機能が提供される。
写真が“動く思い出”に AIで動画化できる新機能
YouTubeが新たに発表した「Photo to video」は、ユーザーのスマートフォン内に保存された写真を自動的に短尺動画へと変換する生成AI機能である。
カメラロールから画像を選ぶだけで、モーションを自動で付加し、動画として仕上げてくれる。
この機能により、風景写真に緩やかな動きを加える演出や、グループ写真に躍動感を与えるアニメーション加工が可能となる。
選択肢として提示されるクリエイティブな提案を選ぶだけで、動画編集の知識がなくてもYouTuber向けのコンテンツを容易に作成できる点が特徴だ。
現時点では米国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドの4カ国で、今後1週間以内に段階的に展開される。
日本を含む他地域では、2025年後半以降に利用可能となる見通しである。
今回発表された機能は、Googleの最新動画生成AI「Veo 2」によって支えられており、2025年夏後半には次世代版「Veo 3」にも対応する予定である。
さらに、「Google フォト」にも順次追加される予定だ。
加えて、AIを活用したジェネレーティブエフェクトも新たに導入される。
これは、スケッチをリアルな画像に変換したり、静止したセルフィーを動く映像に変えるといった機能で、より創造性の高いコンテンツ制作を可能にする。
米国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドのユーザーが利用可能だ。
AIで誰もが動画クリエイターに 広がる表現と問われる個性
YouTubeが発表したAI生成機能「Photo to video」は、ユーザーが写真から短尺動画を手軽に制作できる点で、利便性の高さが際立つ。
今後は、動画編集のスキルを持たない層を中心に活用が広がり、SNS投稿や個人の記録手段として標準化していく可能性がある。
とくに、スケッチやセルフィーに動きを加える生成エフェクトの進化により、表現の多様性が一段と広がっていくと考えられる。
一方で、AIによる創作が一般化することで、コンテンツのテンプレート化やオリジナリティの喪失といった課題も顕在化していくだろう。
こうした傾向が進めば、視聴者が新鮮味を感じづらくなり、没入感の低下を招く恐れもある。
そのため、AIを使いつつも個性を打ち出す編集やコンセプト設計が、今後いっそう重視されると見られる。
今回の機能追加は、TikTokやInstagramリールといった競合サービスとの差別化を意識した布石ともいえる。
今後は、Googleの動画生成AI「Veo 3」との連携により、リアルかつ高度な自動編集が可能になり、より洗練された動画が一般ユーザーによって量産されるようになるかもしれない。