月1980円でClaude最新モデルも使い放題 ドコモ系が中小企業向け生成AI「Stella AI for Biz」を提供開始

2025年6月16日、NTTコミュニケーションズとドコモ系スタートアップのSUPERNOVAは、中小企業向け生成AIサービス「Stella AI for Biz」の提供を日本国内で開始した。
Claude Sonnet 4の使い放題を含む料金が月額1980円という点に注目したい。
月額1980円で複数AIモデルを業務利用可能に
Stella AI for Bizは、中小企業向けに設計された生成AIサービスで、GeminiやGPT、Claude、Grok、tsuzumi(※)など複数のAIモデルを統合している。
ユーザーは業務内容に応じて最適なモデルを選択できるほか、文章生成や画像生成、Web検索、社内情報検索(RAG)なども利用可能となる。
月額1980円(税抜)のプランには、AI利用に不慣れな企業でも安心して導入できるよう、「使いこなしサポート」が標準搭載されている。
導入時の設定支援に加え、定期的な勉強会や専用窓口での相談対応を通じて、AI活用の定着を後押しする体制が整えられている。
特に注目したいのが、Anthropic社の最新モデル「Claude Sonnet 4」が使い放題で提供される点だ。
本来はクレジット消費型の料金体系を採用しているが、同プランでは上限なく利用可能である。
また、企業内で複数のワークスペースを作成し、テンプレートや設定情報を共有できる機能も提供する。
部署ごとの活用ニーズに対応しながら、社内全体のAIリテラシー向上に貢献する計画だ。
※tsuzumi:NTTが開発し、提供している生成AI大規模言語モデル(LLM)
中小企業の導入を後押し 人手不足解消の切り札に
近年、生成AIの業務利用は大企業を中心に拡大しているが、中小企業では依然として導入のハードルが高い。
NTTコミュニケーションズが行った調査によれば、約3〜4割の中小企業が人手不足や生産性向上に課題を抱えており、4社に1社は生成AIに前向きな関心を持つ一方で、実際に活用しているのは13%にとどまっている。
Stella AI for Bizは、こうした中小企業特有の課題に正面から応えるサービスだ。
生成AIの選定や導入にかかるコスト・工数を最小限に抑え、導入後も伴走型で活用支援を行う設計となっている点は、他の法人向けAIサービスとの差別化ポイントといえる。
ただし、導入に際しては注意点もある。
複数モデルを提供するがゆえに、どのモデルをどの用途に使えば最適なのか判断が難しくなる可能性もある。
支援体制があるとはいえ、運用フェーズでの混乱や使い分けの非効率が生じる懸念は拭えない。
NTTコミュニケーションズの本髙祥一常務執行役員は、「生成AIを使っていかないとビジネスとして今後成立しないだろうと危機感をもっている企業が多い」と述べ、今後はAIエージェントの機能拡張にも意欲を示している。